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CP+2024で感じたこと

みなさん、こんにちは。

2024年2月22日(木)にCP+2024を見に行ってきました。このエントリでは展示会に足を運んで感じた個人的な事を書き記しておきたいと思います。

はじめに

CP+の概要はオフィシャルサイトをご確認ください。個人的な解釈ではカメラ・写真に関するアジア最大級の展示会と捉えています。そのせいか、出展企業は日本国内にとどまらず、アジア圏の企業からの出展もあります。

グローバル的にはPhotokinaが有名ですが、コロナの時期からオフラインでの展示会をする機会はなくなりました。そのため、CP+のような展示会は全体的に減少傾向にあると思います。

見解その1: 出展企業のグローバル化

はじめにも書きましたが、海外の企業が進出する割合が増えているように感じます。三脚やカメラバッグ、ライティング系の商材は中国で作られていることも多く、それらのメーカーが自社の認知拡大を目指して出展しているような印象を受けます。

上記の写真用品を「モノ」と捉えると、画像処理のような「コト」にフォーカスするベンダーもいました。例えばEvotoはAIを使った画像レタッチのソリューションも出展していました。この企業ではソフトウェアの利用はフリーミアムで、画像レタッチ(現像データのダウンロード)に課金が走るビジネスモデルを構築していました。

一方で今ある写真を残すという需要に対応するために、アナログ資材(音が、ポジ、プリントなど)をデジタル撮影してデータ化の訴求をする企業もいました。

この領域も昔から商売として存在するものですが、現代においてはフイルムスキャナーの数が減っていっている背景があることと、カメラの性能向上もあり、ドラムスキャナーと比べても遜色ない域まで到達しているという話を聞きました。

スキャニングができなければ撮影して残すというのは自然な話なのですが、改めて時代の移り変わりに合わせたサービス需要の変化を感じさせられます。そして、データを作成後に何をするか?このあたりも大事なポイントですね(この企業の場合は自社で印刷機があるので、高品質な写真集を制作する想定があるようでした)。

画像レタッチはフォトグラファーのワークフローの中でも大きな負荷がかかる所です。特に業務で写真を扱う人にとっては、時間効率化につながる可能性がありますので、興味深く拝見しました。既に大手企業での実績もあるようで、業務効率系のソリューションは人手不足の背景もあることから、ますます活性化していく可能性がありそうです。

見解その2: 大手以外の出展企業

実際の数は調べていないのですが、これまで継続して出展していた企業が減少している印象を受けました。数年前まではコロナの影響もありリアル会場ではなく、オンライン展示という形態で運用されていた時期がありました。このタイミングで出展をしないとした企業もある程度いたように思います。

来場ユーザがアドバンスド・アマチュア層やエントリー層のユーザが多いことから、カメラメーカーのような大手であれば集客ができていたかもしれません。しかしながら、中小企業となると認知度の差もありますし、大きな資源があるわけでもないです。そのため、思うようなプロモーションには至らないのではと感じました。

写真用品は触れてみないとなかなか伝わらない、そうした意見は多いと思います。写真用紙の紙質とか、写真機材の手に取った感触など、現場に足を運ぶと得られる情報も結構あると思います(これは写真の業界に限らずの話だと思いますが)。そうした肌感が伝わりやすいという点ではアドバンテージになっていたかもしれません。

そう思うと、コロナ明けのCP+で昔から出展している中小企業は本当に力があるなと感じてなりません。特に広告系のフォトグラファーが使うライティングメーカーは、コロナ禍で求められたオンラインでの映像配信用途で定常光(LED照明など)の商材やスイッチャーと言った映像機器の販売が急拡大したと聞きます。こうした事例を聞くと、必ずしも専門家でなくても販路は拡大していけそうな気がします(今のタイミングでは一般企業にも大分行き渡ったのだろうと思いますが)。

あ、あと毎年の流れ的には6月ころにPHOTONEXTも開催されるので、こちらもフォトビジネス系企業が多く出てくることが想像されますね。

見解その3: 写真展示の拡張

学校の写真サークルなどが活動結果を展示するスペースが、今まで以上に広がった印象を受けました。大学の写真部や写真甲子園、東京カメラ部主催の展示などが主でしたが、写真のインプットをするための写真機材、写真用品、ソフトウェアだけでなく、アウトプットされたものの展示があると解釈すると良いのかなと。

日本において、写真の展示会ってどれだけ見られているのかと思いますが、まず自分の写真を発表する場があるというのは良いですね。出展のためにはそれなりの対価を支払って準備をされているものと思いますが、見てもらうための場としてのCP+という一面も垣間見えた気がします。

これは仮説ですが、国内企業の出展減少により展示スペースの余白が生まれた部分を海外企業の進出、写真展のスペースとして貸出という形でエリアを埋めていっているような・・・そんな気がしてなりませんが・・・。


見解その4: 「写真を撮る」を再定義する

いずれにしても「写真を撮る」だけでなく、「写真を飾る」、「伝える」、のようなアウトプットがあるのは、前向きな話だと思います。CP+はカメラ機材展、と見てしまうとカメラ機材を見て満足となってしまう可能性もありますが・・・大事なのはこれらの道具で「何をどう表現するか」といった撮影者のアウトプットだと思います。

少し前までの写真はフイルムカメラでした。現像してみないと何が写っているかわからないという世界でしたが、昨今はデジタル化+スマホの普及で誰でも写真が撮れる身近な存在になりました。アウトプットも写真という紙からデジタル媒体のように表現の選択肢も増えました。

昨年はChatGPTのような生成AIが普及し、その中で画像や映像の生成AIまで登場しています。プロンプト次第でAIがクリエイティブを作る可能性がすぐそこまで来ている時代において、表現者は今後ますます「何を表現するか」が求められていくと感じます。

終わりに

展示会に行くと、自分が認識している以外の情報もたくさん飛び込んできます。それによって新しい知識が得られるので、ありがたいと思う一方で、まだまだ自身の視野が狭いと感じます。

CP+のレビューとなると、「カメラメーカーの新製品は~」などと言った話が出てくると思った方もいらっしゃるかもしれませんんが、そうした最新機器の情報はカメラ系のメディアで多数出てくると思いましたので、個人的な視点での意見をまとめさせていただきました!

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大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。