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予約できないけど当日の整理券は予約できる?不可解なシステムな老舗

うなぎ重箱(2匹) うなぎ桜屋@三島

 少し前のことになるけど、ずっと行ってみたかった憧れの場所へ、高校の同級生と車で向かった。

 サウナの聖地「しきじ」。


 土日を使い一泊二日の旅。静岡なんだから日帰りでも行けるっちゃー行けるんだけど、今日は「しきじ」を満喫し、明日の昼飯は三島の名店「桜屋」に行こうというのが旅の狙いだ。

 サウナは、水風呂。サウナーの定説だけど、正直水風呂でこんなに違うんだということを初めて実感させられた。カルキ臭がしないとかそういうレベルじゃないんだね。浸かった時の爽快感とか気持ち良さとかが段違い。水ってすごい。たかが水、されど水。そんな名言をつぶやきたい衝動に駆られる。一つ残念なのは、外気浴スペースがないってこと。結構僕は、水風呂の後の外気浴が好きなので、ちょっとだけ残念だった。この水で外気浴したら、どんななんだろう?と想像を掻き立てる。

 さすがは聖地。僕らは昼前から入ったから待ちもしなかったけど、15時くらいに外に出たら、十数名の人がサウナの入場待ちで並んでいた。ラーメンでも20人くらい並んでたらちょっと躊躇するのに、サウナという回転率のわからない空間へ並ぶのってしんどくない? ディズニーランドだって1時間待ちと表示されていればおそらくその通りなんだろうけど、サウナで約1時間待ちって言われてもそんなのわかんないじゃんってならないかね? と思ったけど、あの水風呂を体験したら、確かに1時間待ちって言われても並んでしまう魅力はあるよなぁと納得してしまった。近所に住んでたら最低週3日で通いたい。

 翌日、ホテルを9時にチェックアウトして一直線に「桜屋」へと向かった。

 「桜屋」は江戸時代から続く関東焼きの老舗。予約はできないが、当日の整理券の予約はできるという訳のわからない予約は済ませてあった。土日だからだろうか。開店の45分前には到着したのだが、すでに30名ほどの人が店前にいる。

 整理券、予約しといて良かったな。
 店の人に予約のことを伝えると、当日にいきなり並んだ人より先の順番で通されることになった。つまり開店と同時に僕らは入店できるのだ。知らなかったらやばかった。入ってから気がついたんだけど、うなぎって提供までに時間かかるので、2週目の入店だと、今からさらに1時間くらい待つことになる。

 うなぎ重は1匹、1匹半、2匹から選べる。滅多にこないし、せっかくだから2匹にしようとなった。うな重2匹・7600円。らーめんなら7杯分。とんかつなら結構なお店の定食でも2~3オーダー分。うなぎって結構高いのね。ただ都内で2匹食べたら1万円はするよ。しかもうなぎの名店で2匹だよ。妥当な金額じゃないかなと納得してみる。

 入店順にオーダーを取っていく方式だったので、最後の方の入店順だった僕らは、オーダーをしてから30分以上待たされることになった。うなぎは焼くのに時間がかかる。その間、うなぎの煙の匂いが店に漂っていて、提供されるテーブルから歓声が上がれば上がるほど、僕の貧乏ゆすりが激しくなったのは仕方ないことだろう。
 提供されたテーブルを横目でちらちら覗くと、うな重だけじゃなく天ぷら定食とかうまき&ビールとかそういう人たちも結構いた。あーこの蒲焼きとか白焼きでビール飲みたいかも。うまそー。あーあ、車じゃなければねえ。

 うなぎは旨かった。パリパリに焼かれた外側とふわふわな内側。もはや職人技だねと感心する。タレも甘すぎずいい感じで、さらにテーブルには追いタレできるようにタレ常備という気の配りよう。ご飯にうなぎのタレだけで茶碗1杯くらいは食べれるよねっていうタレ好きの心をくすぐる仕様。ちなみに僕はTKGを、醤油じゃなくうなぎのタレで食べるのが結構好き。やってみて、飛ぶぞ。

 だが、その日の僕たちはやりすぎた。うなぎって結構脂質あるんだよね…。正直1匹で十分満足できたのだろう。「桜屋」は旨い。名店の名に恥じない旨さなのはうなづける。ただし、50歳のおっさんには、うなぎの蒲焼き2匹は重いのだと知った。そんな旅。


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