「スパイシーカレーと背脂塩らーめん小セット」 たいせい@亀有
そば屋のカレーって美味しいよね。あと、町中華のカレーとかも。
で、ラーメン屋さんのカレーもやっぱり旨いことが多い。豚骨カレーとか「せたが屋」のカレーとか。
メニューで迷った時、もしカレーとのセットがあったらどうします?
まあ、選んじゃうよね? いわば誘導尋問みたいなもんですよ。
「たいせい」はラーメン激戦区亀有の中で、あまり際立った特徴がないお店だと思う。背脂の乗った醤油ラーメンが看板メニューというのは昨今かなり地味なラーメンと言っていい。いや、もしかしたら逆に今、背脂ちゃっちゃの方が新しいのか? それはともかく「たいせい」のラーメンは旨い。何度も言うけど、スープも別にすごい特徴があるわけでもなく、麺も開花楼だけどそれはそれで多くのラーメン屋も同じだったりするし。だから「ぐわーっ旨い!」とかって叫んじゃうような心躍る旨さじゃないんだけど、食べてる時も食べ終わっても、うん、上品で大変美味しゅうございますと答えちゃうような旨さなんだよなぁ。「ホープ軒」なんかともちょっと違ってて、あー、背脂乗ってるから、ちゃっちゃ系って先入観に囚われちゃうのかもしれないけど、全然別物で昔ながらの旨いラーメンをもっと洗練したというか臭みとかえぐみみたいなのも一切なくどちらかというと淡麗スープに甘みを加える感覚でちゃっちゃした感じ。なんというか、ずっと亀有にあり続けてほしいと思ってしまうシンプルだけど味わい深いちゃっちゃなんだよなー。
こういうのって、それこそ作る人のバランス感覚から生まれてるんだろうなと。相当繊細に調理してる感じ。
そんな人が作るラーメン屋のスパイシーカレーだよ? そりゃ頼まない人の方がおかしいでしょ。
お盆の上に上品に並んだセット。らーめんは小で、カレーがメイン。
ではさっそくカレーを食べる。うん、カレーだ。あれ? あんまりスパイスカレーっぽくないな。あと結構辛い。あ、もしかしてこれがスパイシーって意味なんだろうか。確かにスパイシーカレーであって、スパイスカレーとは書いてないな。なるほど。味はちゃんと美味しい。ただ、カレーの方もなんというか尖った特徴がなく、心躍る旨さではない。確かに丁寧に調理されてる感じは伝わってくるんだけど、あれ? ラーメンで感じる旨いとはちょっと違う感じがする。まあ美味しいんだけど、次来た時またこれ食べたいって思うかなぁ?
背脂塩ラーメンの方を食べてみる。ああ、やっぱり普通なんだけど美味しい。ただ、ちょっと失敗したのはカレーとのセットにしたこと。スパイシーなカレーが結構辛いので、ちょっと舌が麻痺して塩の端正なラーメンの味が微妙に感じる。
ラーメン屋のカレーは旨い。そういう先入観だけで物事は見ない方がいいらしい。冒険せずに塩か醤油ラーメンの単品を頼めば良かったな。反省。
次はメニューに迷わされても必ず正統派を頼もうと心に誓った。
ただし僕は、きっとカレーがセットになってたら、また誘導尋問に引っかかってしまうだろうことも、うすうすわかってはいる…。