時代屋、アンティーク屋が好きだ
真鍮の取っ手を握りしめ、その重さ、手触りを感じていると、カビ臭い店の香りがその時代へと連れて行ってくれる。
かつて、ゴールドラッシュに沸いた土地で、蹄鉄づくりの鍛冶屋が扉の取っ手を造ってる。無骨な金属がやがて形を整えて細かいヒダやモールディングができてくる。チョークストーンで仕上がった大きな框扉に取り付ければできあがりだ。
さて、この扉を玄関に据え付け、床は?壁は?天井は?と想像を巡らせて、脳裏には徐々に当時のインテリアが構成されてくる。
家具を並べ、カーテンを吊るす。
ウエッジブルーを使いたいが何処がいいかな、
腰壁まではモクにして見切りはアールをつけよう、
照明はどうしよう、止めどなくイメージが膨らむ。
併設のカフェでその金物を手にして、私の想像は膨らむばかりだ。
だから、このアンティークショップが好きだ。