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【臨床日記】予防運動と医師の診断との違いが決定的に違うと気付いた件

今回は膝の手術を医師から告げられた方がいらっしゃいました。軟骨がすり減っていてスクワットで痛みがあるという方です。確かにレントゲンでは軟骨の減少と外側への偏位を認めました。

そちらの方の記事はこちら。

画像初見からは①軟骨がすり減っている、②外側へ膝蓋骨が偏位しているという2点です。

この情報だけで診断していいのでしょうか?

その医師の説明は、遺伝性なので手術して膝を真ん中にする。痛みが完全に取れ普通の生活に戻れる保証はないということでした。

クライアント伝えですから、正確にどう言ったかは分かりませんが、少なくともご本人はそのようにインフォームドコンセントの結果として理解されているということです。

僕のアセスメント結果はどうだったかというと、①脚長差が9ミリ、②左膝に伸展制限がある、③歩行時に骨盤の傾斜が左右異なり脚長差を示唆、④歩行時に左のみ内側に膝が入る、⑤右には異常がない。というものです。

画像初見とも矛盾しません。そして尚且つ、原因は脚長差であると結論づけられました。なぜなら、補填することで、膝の内側への入りが軽減し、骨盤の傾斜も左右差がなくなり、左膝も伸びやすくなったからです。

つまり、理学的検査によって、画像のみよりも情報が多くなり、症状や画像初見の原因を説明できたということです。

本当に手術適応の方だったのでしょうか?

残念ながら多くの整形外科医が、理学的検査をせずに画像の情報のみで診断を下しています。ということは、画像という結果に対しての原因は、あくまでも医師の推測に過ぎないということになります。理学的検査情報をとっていないのですから。

画像は原因ではなく、結果です。そこも大きく認識を僕らと異なる部分でしょう。関節の変性は結果です。痛みの原因であっても、変性自体が勝手に起こることはありません。

理学的検査は、原因を追求する上では必須です。しかし、対症療法を短時間で多くの患者さんに施さなければいけない医師にとっては、原因はどうであれ、痛みという症状をとることが最優先なので、原因は推測で構わないという常識ができたのだろうと思います。

だから、原因を聞くと、「老化だ。」、「遺伝だ。」、「使い過ぎだ。」という一辺倒な答えになるのでしょう。

原因を特定するための理学的検査情報がないからです。

これは医師の問題のみではなく、医師に考察する時間を与えていない現状のシステムに問題があると思っています。1日に何百人と見ないといけないシステムです。本来理学的検査も踏まえて診断すべきだというのは本流なはずです。でも時間的制約でできないというのが事実だと思います。

でも工夫はできます。理学療法士にも検査という役割を与えて連携すればいいのです。もちろん理学療法士にもシステム上の制約はあるでしょう。理学的検査に保険点数がついていなければサービスになってしまいます、、、。

そうなると、医療では当たり前の診療は受けられないということになってしまいます。僕は今保険外のサービスなので、お一人に1時間かけられます。でも同じことを病院では無理でしょう。医療のシステムが変わらないのであれば、残念ですが民間でするしかありません。

理学的検査をしっかりと行って、痛みや不調の原因を科学的な視点でしっかりと明確化するサービスです。画像からの推測ではなく、検査に基づいて、原因から結果まで説明できるシステムです。

TAKT EIGHTで今は行っています。これからもっと世の中に必要な気がします。ただいい名前が思いつきません。リハビリテーションではありません。整体でもありません。トレーニングでもマッサージでもないのです。

新しい分野かもしれません。理学的検査を行い、痛みの原因を明確にする〇〇、、、。いい名前が思いついた方は是非連絡ください。これからはこういうサービスが予防医学的にも医療費の削減にも、健康寿命の増進にも必要なのです。


よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。