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【ピラティス/ヨガ日記】ピラティスのためのピラティス、ヨガのためのヨガ〜何のための運動指導なのか?〜

僕はピラティスやヨガを指導して15年になります。
なぜ理学療法士として病院での治療ではなく、ヨガやピラティスの指導をしているのか、それは予防医学として可能性を感じているからです。

僕にとっては、健康的な心身をボディワークで作り、病院に行かない状態を長くキープして欲しいという、予防医学の具体的な実践法として指導しています。
ですから、ボディワークの目的は予防であり心身の健康です。

つまり、道具を使った複雑な動きや難しいポーズを取ることには重きを置いていません。

しかしボディワークの実践者や指導者にはそれぞれ個性や動機が違いますので中には、

  • とにかく難しいエクササイズをこなしたい

  • SNSで映えるような綺麗なポーズを取りたい

  • そのボディワークの世界で認められたい

  • スポーツのコンディショニングに活用したい

など様々な目的で実践し、また指導されています。

それはそれでいいと思います。
人生の目的だって人それぞれですから。

ただ、お客さん、生徒さんが心身の健康を求めているという明確な希望があるのに、心身の健康とはあまり関係のないことをさも関係ありそうな風に指導している方に関しては、疑問を感じます。
今一度自分の役割とボディワークの用い方について考えた方がいいのではないかと思ってしまいます。

例に出すと、健康には前後開脚、左右開脚は180度が必要なのでしょうか?
、、、必要ないですよね。

ではなぜ指導するのでしょうか?

探求、潜在能力の開発、、、そういうちょっと健康の先にあるような修行の世界もヨガにはあります。
僕も実際その世界の練習もしますし、そういうのに興味がある人には指導します。
でも当然、万人に必要とは考えていません。

ピラティスには様々な機器がありますが、それらを使うことで効果的な気づきや変化というのはあります。
しかし、それはその環境でのみ起こることがほとんどです。
自宅に帰る途中、翌日、数日後、、、。
スタジオでの気付きや効果は持続するでしょうか?

多くの生態も然りですね。

健康という定義も人それぞれです。
WHOには定義がありますが、、、。

ちなみに、股関節の健康的な可動範囲域は何度でしょうか?
医学的には、正常関節可動域というものが定められていますので、そこを基準にしています。

ボディワークの指導者にその基準はあるのでしょうか?
筋力も然りです。

つまり、健康産業、健康サービスには、とても曖昧なことが多いのです。
またその基準や根拠も各指導者の采配に任せられています。
僕は医療からボディワークの世界に入った人間なのでその粗がよく見えます。

ピラティスのためのピラティス指導、ヨガのためのヨガ指導になっている人が多いように感じます。
健康の基準も各々の感覚で適当に決めているように感じます。

何を目的として何をゴールとして、何を根拠として設定し指導しているのか?

僕はそういう点を明確にするために、ピラティスではファンクショナルローラーピラティスをヨガではアーサナアナトミカルアプローチを作りました。
それぞれ、目的は健康であり、人間として最重要な歩行機能、姿勢を整えるために作られています。
また基準は根拠は医学を基礎にしています。
伝統でも、その分野の習わしでもありません。

ヨガに関しては心を落ち着かせ、エゴを小さくして苦しみを減らすという、心への効果を最大限に高めるための練習方法を啓蒙しています。
まだまだ勉強不足ですが、医学のみならず心理学の分野を背景にしてこれからもまとめ広めていきたいと思っています。

自分が何のためにピラティスやヨガを指導しているのか?
指導しているそのエクササイズは何の機能を高め、どんなメリットがあるのか?

ややもすると、ボディワークを実践することが目的になってしまいやすいので、指導者として、健康産業の担い手として、時に立ち止まり自身の役割を見直すことは必要なのではないでしょうか。
手段が目的にならないように、、、。

自戒の念も兼ねて、シェアしました。

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