【日記】内臓の大切さ〜安静時基礎代謝から考える〜
風邪をひいたりすると食欲がなくなります。それは、消化に対するエネルギー消費を抑えて、風邪と戦うために温存していると言われています。
確かに、食後は動きたくなくなります。食休みは大切と言いますが、それは消化にエネルギーを使っているから、他の筋肉などで余計なエネルギーを消費してしまうと消化の方が不完全になってしまうからです。
では、消化にはどれくらいのエネルギーか消費されているのでしょうか?
厚労省の生活習慣病予防のための情報サイト「eーヘルスネット」というサイトがあります。そこに内臓の安静時代謝量が載っています。まずは、ここから参考にしてみましょう。
「糸川嘉則ほか 編、栄養学総論 改定第3版、南江堂, 141-164, 2006.」より
分かりやすいようにグラフにしてみます。
骨格筋は体重の約半分と言われています。ここでも重さは全身70kgに対して約30kgですから、まぁまぁ半分ですね。これだけ大きな部分を占めますが、安静時ですから、エネルギー消費は僅かです。全身1700kcal/日に対して360kcal/日ですから約20%くらいです。
ちなみに、安静時ではなく活動時の骨格筋は50%ですので、ダイエットには運動が必須というのは間違いないですね。
そして安静時に同じくらいの割合で消費しているのが、脳と肝臓になります。教科書からの引用ということですので、この測定の詳細までは調べられませんが、体をじっとしていても脳は働いていればばエネルギーを消費しますし、肝臓も様々な栄養素の貯蔵に産生に、比較的常に働いている臓器ということになります。
脳は約1500ccで、体重60kgならたった2.5%です。それでいて20%というのはすごいですね。脳はとにかく浪費かということが分かります。だから省エネには瞑想が必要ということでしょうか。
心臓は約8%ですから。血液を送るのには、約10%程度のエネルギーを安静時でも消費しているということです。運動時ではこれがどれくらい上がるのか興味が出ますね。
腎臓も心臓と同じく血液を濾過して尿を作るところですので、発汗や給水などに合わせて忙しく常に働いているところですね。なんか感謝したくなります。
安静時でも肝臓と腎臓で合わせて30%というのは何となくすごいですね。胃腸が乗っていないということは、やはり胃腸は消化の時のみ働くということでしょうか。
安静時ではなく、食事をすると肝臓も腎臓ももっと活発になるでしょうし、さらに胃腸が動きますから内臓の代謝量は格段に上がるはずです。文献が探せなかったので、どれくらいかまでは提示できませんが、食事後に少しぼぉっとするのは、内臓に血流が行くので、脳が少し血流が減少すると聞いたことがあります。
ある報告では門脈の血流が食前に比べ健常人で77%増加したとされています。凄いですね!
森安 史典,慢性肝疾患患者における食事摂取の門脈血流におよぼす影響について;日本消化器病学会雑誌,1984 年 81 巻 11 号 p. 2767-2774
内臓もれっきとした効果器であり、内臓筋という筋肉です。だらだら食べない、間食しない、内臓も休ませる、体調に合わせて食事を変える、食べ方を変えるなど、やはり大切ですね。もっと内臓に意識を向けてあげたいなと思いました。
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