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【変えたい常識シリーズ】「体が硬いからヨガは無理だよ」という常識

ヨガをしている人が、家族や友人、パートナーなどにヨガを進めたときにおそらく一番言われる言葉が「体が硬いから無理だよヨガなんて」だと思います。

「体が硬い」とヨガは無理なのか?
今回はそれを考えてみたいと思います。

【硬いって何が硬いの?】

そもそも、体が硬いという時の「体」とは具体的に何を指しているのでしょう?

動くときに硬さを感じているのですから、「関節」ということでしょう。
では関節の構成要素を見てみましょう。

・皮膚
・筋肉
・靭帯
・関節包
・滑膜
・関節円板
・軟骨
・骨

この中で硬さを作る要素は、、、。

皮膚は確かに硬さに関与しますが、火傷とか特殊な状態ですから、日常的な生活をしていて皮膚が硬さを作ることは少ないでしょう。

筋肉はダイレクトですね。
硬いという感覚は筋肉が「つっぱる」という感覚と一緒でしょうから、筋肉は第一候補ですね。

靭帯は関節が脱臼しないように、あらぬ方向に行かないように止めているストッパーです。
関節は骨同士のつなぎ目ですから、靭帯がなければ安心して動くことはできません。
硬さには関与していますが、この硬さは関節の最終域で働きますし、本来動いてほしくないものを止めているものですから、必要な硬さですね。
靭帯による制限は異常ではないので、一般的にいう体の硬さとは関係ないでしょう。

関節包は、滑膜性関節の特徴である「滑液」を産生、吸収する「滑膜」を内膜に有する袋です。
袋はある程度の余裕がないと滑液が動けませんので、可動域を低下させるような硬さに関与することはありません。

その他、骨や軟骨、関節円板は病的な状態や骨格の特殊な個性以外で関節の可動性を制限するような要素にはなりません。

そうすると、関節の構成要素で一番制限の原因となるのは「筋肉」だということがわかります。
では「筋肉が硬い」というのはどういう状態なのでしょうか?

【筋肉の硬さとは?】

筋肉は、皆さんも簡単に硬くしたり柔らかくしたりできますよね。
腹筋に力を入れたり、力を抜いたり。
手を握って拳に力を入れたり、ぶらぶらと脱力して手首を振ることもできます。

ということは筋肉の硬さは変わるということです。
そうすると硬いと表現するのは少し不適格だということがわかります。

僕ら理学療法士は筋肉に関しては「筋緊張」という表現を使います。
これですと、いわゆる硬いという状態は「緊張が高い」と言えますし、緩んでいる状態は「緊張が低い」ということができます。
つまり、「筋肉の硬さ」ではなく、「緊張の高低」で表現するということです。

この緊張は何に左右されているかというと、「脳」です。
筋肉の緊張は脳の状態を表していると言えます。

怒っている人は今にも飛びかかってきそうな緊迫感がありますね。
それは筋緊張が高いからです。
くたびれて疲れている人は、ダラダラして見えますね。
それは筋緊張が低いからです。

このように、筋肉は脳の興奮状態を反映しています。

病気ですと、脳の障害が起こると、一時的に筋肉が全て脱力してくる「麻痺」という状態になります。
脳梗塞を疑う症状に、顔面の麻痺や呂律が回らない、足がもたつくなどがありますが、これらが麻痺です。
筋肉が働かなくなる、つまり低緊張になるということです。

このように筋肉は脳の支配を受けています。

ということは、大きな捉え方をすると

筋肉が硬い人は、、、緊張が高い=脳が興奮している
筋肉が柔らかい人は、、、緊張が低い=脳が休んでいる

とも言えますね。
実際、筋肉の硬さには、他にも霜降りのように脂肪分の量の影響もありますので、脳の興奮全てでは説明できませんが、影響は大きいです。

また、使って酷使している筋肉は、血流の障害が起こり緊張が取れないことがあります。
走った後のふくらはぎや足の筋肉のようなものです。

ですから、姿勢や偏ったスポーツなどによって、筋肉には「酷使されている筋肉」と「休んでいる筋肉」というように偏りが出てきます。
この場合は、姿勢や酷使する動きが問題ですので、それらを改善すれば筋肉は緩みます。

お風呂に入るとか、振動やマッサージがその回復を助ける方法としてよく知られていますね。

【まとめ】

まとめると、「体が硬い」という理由でヨガを拒否している人は、

①脳が興奮している
②筋肉を酷使している

いずれかまたは両方の状態ということでもあります。

であれば、それぞれ対処法はありますね。
硬さはどうしようもない普遍的なものではないのです。

さらにはヨガの中に、まさにその硬い状態を落ち着かせる方法があります。

脳の興奮は、ゆっくりとした呼吸法心地の良いアーサナでの内観によって、
酷使した筋肉には、マイルドなストレッチ緩んだ筋肉の活性化によって相反的に落とすことができます。

そう、体が硬い人こそヨガが向いているのです。
ヨガが必要なのです。!

さぁ体が硬いといって、ヨガを躊躇っているあなた!ヨガがあなたを待っています!
体が硬いとパートナーに拒否されてきたヨガ好きのあなた!あなたのパートナーこそヨガが必要なのです!

ということで、ヨガは万人に必要です(^^)/

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