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【ヨガ日記】ヨガに関する質問に答えます

ある講座での受講生とのやりとりをこちらでも参考になるのではとシェアしたいと思います。

Q:生徒に既往歴や体調についてクラス前にみんなの前で聞くべきでしょうか?

A:聞くべき。最も適切なのは、クラスが始まる前に聞けること。同意書などで事前に確認できればなおいいが、生徒としても自分の状態を報告する義務があります。責任はイントラだけにあるわけではありません。恥という日本人特有な感覚があるが、それは怪我の防止にとっては阻害因子。

自分に責任を持つということを教育する役割も指導者にはあります。
また、意見を言いやすい雰囲気、質問しやすい雰囲気を作る必要もあると思います。


Q:動きたい人と動けない人が混在している場合、どうクラスの強度を決定したらいいのか?

A:動けない人に合わせるのが原則。山のパーティを想像すると分かりやすいと思います。足が丈夫な人が自分のペースで進んでいったら、、、。当然弱い人は取り残されてしまいますね。これは、一歩間違えたら遭難します。リーダーは、体の弱い人に合わせて休憩のタイミングや登るペースを決めていきます。もっと言えば、強い人に弱い人の荷物を持たせたりして、全体としての安全を最優先します。それが嫌な人は、リスクを承知でソロで登ればいいのです。


Q:前鋸筋を使って「立甲」というのが正しい肩甲骨の使い方と習ったのですが、先生の背中を広くというのとは違うのですがどうなんでしょうか?

A:「立甲」流行っているみたいですが、意味はないでしょう。肩甲骨剥がしの一種じゃないでしょうか?医学的には全く意味が分かりません。チーターの動きと関連づけて説明されているようですが、四足動物は胸郭が縦長でそもそも立甲しかできません。ヒトは楕円型なので、広がっているのが正常です。違う胸郭の形状を比較しても意味がありません。

また、そもそも翼状肩甲と同じメカニズムなので、前鋸筋は抜けています。やり方を見ていると頭部を下げて肩甲骨を後退させる方法なので、全く前鋸筋の働きとは逆です。

世の中には、特別なことをして健康を得ようという人達がいます。子どもが成長の中で行ってこないことは基本健康には必要ないことです。人は特別なことをしたがるので、健康情報にもそういう怪しいものは散乱しています。医学的に運動学的に健康につながるものは研究されていますので、あまり世の中の情報に惑わされないようにしましょう。


Q:浮指にはどのように対処したらいいでしょうか?

A:浮趾はなぜ起こるかを考えましょう。指が勝手に反ってくることはありませんね。指が床を踏めないということは、基本的に足のアーチが潰れているからです。ではなぜ足のアーチが潰れるのでしょうか?

アーチは荷重ストレスを分散するのが役目ですから、荷重で潰れて、脱重で引き上がります。ということは、荷重し続けると潰れるということです。加重し続ける原因は前体重や足の背屈(足首が反る)です。ということは、重心を踵付近に戻して、足首の反りを無くせばアーチは引き上がるということになります。

ですから結局は姿勢という話になります。足の問題は多くは姿勢の結果起こってくるものです。足の筋肉が勝手に弱化して起こるものではありません。ですから、タオルギャザーという足のトレーニングをしたからといってアーチが上がるようなことはありません。原因を考えない対症療法は気晴らし程度ですので、ここでも世の中に溢れている適当な健康情報には気をつけましょう。


Q:滑り症がありますが、これからどう付き合っていったらいいでしょうか?

A:まず、滑り症自体は関節の変形ですので直す事はできません。ただ、多くは手術をしなくても症状は改善することが多いです。(もちろん膀胱直腸障害が出現した場合は、躊躇なく手術をする必要がありますが、、、。)

滑り症の原因は、基本的に骨盤(腰椎、股関節)の不安定性によって前方への剪断力を止めきれなかった事です。ですので、対処法は骨盤を安定化させること。そのためには、内腹斜筋や腹横筋の使い方を覚えること、そして腰ではなく胸の動きを促して腰へのストレスを減らすことです。

ですので、アーサナ中にも上記のことを忘れずに行えれば問題なく練習に取り組めるようになると思います。最悪手術で固定術という方法もあるので、そういう意味では最終手段があるということも救いとしてあるので、一生痺れを背負わなければいけないというふうに不安にならなくてもいいかもしれません。もちろん完治は断言はできません。ヨガの指導者としては、ですので滑り症へ移行しないような体の使い方を指導できるといいですね。



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