3A'sアーサナ・アナトミカル・アプローチ〜説明できる指導を目指して〜
ヨガは古から変遷し伝わってきたものです。そして現代は科学という視座があります。できれば科学という広い視点でヨガの良さを探究し、捉え直したい。それが3A'sです。
【流派】
インド人は、概ね自分が大好きです。多様な宗教、多様な民族が集まっていますので、自己主張しないと揉み消されてしまうという背景もあります。
インドに行くとその個性に圧倒されます。
この個性はヨガの世界でもあると思います。自分の考えが一番だと思う!そういう方が多いです。逆に言えば、日本人のように自分なんて全然分かっていないので、まだまだ生涯勉強ですよ、、、死ぬまで悟りなんて難しいでしょう、、、なんて謙遜している人は少ないでしょう。
指導者には「俺は悟っている!」そんな人が多いです。じゃなきゃやっていないというところもあります。
「経典には真実が記されている!」
「物事の本質はこれだ!」
「私がとくことこそが事実で真実なのだ!」
「多くの人は幻想にごまかされており真実は私の語る中にある!」
「グル(師)こそが真実なのだ!」
「〇〇こそ神であり、救いの真理なのだ。」
インド人らしい断言的な言葉はよく聞きます。
そして、その主張は時に変わり、時に矛盾し、時に他のグルの主張と相反します。
多くの考え方があるのも当然です。そして、その多様性の中で、自分が納得するものを信じていればそこに救いがあるんです。そういう意味でとても実利的で、現実主義的です。
僕はそんなインドが好きです。都合のいい考え方と言ってもいいと思いますが、結局はそれが自分を幸せにする方法だということを知っているからでしょう。
インドには六派哲学というように、思想も大きく6つありそれぞれが、それぞれの概念で成り立っています。
インドに限らず世界を見れば宗教がこれほど多様であり、それぞれがそれぞれの教義を持っているわけで、それで成り立つ世の中のなのですから、人にとっては都合の良い考え方が効率的だということの証明でしょう。
さて、そんなインドですから、ヨガの解釈も実践法もグル(師)の数ほどあります。
当然それは流派として派生します。
【科学】
科学とはどんな考え方か?
僕は医学しか知りませんが、物事を主観的というよりは客観的な手法で見ていこうという立場、考え方だと思います。
霊媒師やシャーマニズムによる医術から、病の原因を探り、因果関係からアプローチしていく医療へ。それは大きな転換だったと思います。
レオナルドダビンチやニュートンやアインシュタインなど、自然現象や物理現象をできるだけ、説明したい、解明したい、理解したい!というその人としての探究心が科学の原動力であり、その説明したいという部分が主観から他者へ説明をする客観という方向に概念が移行した大きな違いなのだと思います。
自分が良ければそれでいいというのであれば、主観で完結していいのです。
さて、現代は科学的な世界と言ってもいいでしょう。医療が科学であるのはもう当たり前になっています。車や飛行機が活躍しているのも科学ですし。携帯やGPSも相対性理論がなければなしえなかったものですが、日常的に当たり前になっています。
では、ヨガはどうでしょうか?
古典、伝統という古の知恵であることは素晴らしいですが、科学的な視点で検証されてきたのでしょうか?
インドにカイヴァルヤダーマヨーガ研究所というところがあります。そこはインドで初めて、科学的な視点でヨガを解明しようとしたところです。
日本にも支部があります。カイヴァルヤダーマジャパン。
様々な研究機器を用いて、実験し、科学の言葉でヨガを解説しようとしてきました。
僕も2014、2015年と呼吸法の集中講座を受講しに渡印しています。
【アーサナと科学】
僕は理学療法士というバックグラウンドがあります。それは西洋医学であり、やはり科学の視点です。
今まで様々なアーサナ(姿勢法)を様々な先生から習って体験してきましたが、科学的な視点で納得がいく解説を受けたことは少なかったです。
・言っていることとしていることが違う、、、。
・体に良いはずなのに体を壊す方法を指導している、、、。
・日本人の骨格を無視した指導法になっている、、、。
・精神論や根性論で最後は押し切られてしまう指導、、、。
・理由や根拠のない自信に満ちた効果の解説、、、。
・最後は宗教的な部分で丸め込まれてしまう、、、。
・フィットネスとの差が分からないアーサナ指導、、、。
そんな疑問を抱いている中で、ある方に出会います。それが豪州のSimonという方です。
この出会いは他の記事に譲るとして、ここで初めて納得がいく指導を受けました。そこで、日本でも同じように、解説できる、納得がいくアーサナを伝えたいと思うようになったのです。
納得がいく解説のためには、科学的な背景が必要です。自分の体験や主観だけではなく、、、。
それが解剖学であり運動学なのです。
【パートナーそして仲間】
僕は流派は作りたくありません。特に自分の名前をつけるなんで恥ずかしいことはしたくありません。エゴの象徴ですし、自分が前に出るということは、科学の真逆です。
なので、構想としてまとめたものは流派ではなく「アプローチ」にしようと考えていました。
ちょうどその時、同じように主観的な指導に疑問を感じていたヨガ仲間に出会います。それが「しんのすけ」さんです。
彼はバリバリの実践者です。毎朝定時にアーサナの練習をするアシュタンガヴィンヤサヨガの指導者であり、シヴァナンダヨガの指導者でもあります。
彼は心優しく、現代には珍しいヒッピー的な方です。大人なのに青年のように純粋で素直な人と言っていいでしょうね。彼と出会い、そしてこの考え方に共感してもらい、一緒に科学的な視点に基づいたアーサナの指導法をまとめてきました。
それが「アーサナ・アナトミカル・アプローチ」です。
【まさに霧が晴れる】
物事の本質に気づくと「霧が晴れる」という表現でもやもやが晴れてスッキリすることがあると思います。
3A'sを受講してもらうと、多くの方に霧が晴れたようでしっくりきました!と言ってもらえます。
それこそが科学の力であり、特に指導者としては重要な視点です。
伝統の良さはもちろん重要です。そこへのリスペクトは人のふんどしで相撲をしているわけですから必須です。でも、現代には科学というとても便利な学問、視点があります。
それを使わないなんてもったいないのです。知っていればもっと効率的に、もっと安全に、もっと集中して実践ができます。指導もできます。
現在は、流派による指導がほとんどです。ヨガの先生になるにも流派で習ってしまうことも多々あります。
つまりある方の、主観を通した実践法で学び、それを一般化して多くの個性のある方々に画一的に提供してしまっているのです。
残念ながらアーサナ の実践で怪我をする方もいいます。特に悲しいのは、指導者に押されたり引っ張られたりして受傷しています。先日も指導者に押されて筋肉を断裂した人に会いました。
とても悲しくなります、、、。
指導者の方が知っていればそのような事故は防げました。また生徒さんも知っていればその先生のNOと言えたでしょう。
3A'sではより安全に指導ができる知識を科学に基づいてお伝えしています。本来は、現代というこの時に、科学に基づいた指導法が基礎であり、そこから興味があれば流派を体験するという順番が適当でしょう。
車の教習所でいきなりポルシェに乗って、トラックに乗ってという感じが現状です。
初めはセダンで練習しませんか?セダンの運転方法を指導しませんか?
そこを卒業してからポルシェに、トラックにいくのは個人の自由ですし、その分野もないと面白くありません。ですから流派も必要です。
ただただ、僕は、現代という科学の時代に即した、日本という社会に即した当たり前を作りたいと思っています。
興味を持たれた方は、認定の講師もいらっしゃいますのでチェックしてみて下さい。オンラインのクラスも開催されています。もちろん、僕の主催するTAKT EIGHTのヨガインストラクターの方々は3A'sを多くの方が受講し身に付けています。
まずは、安全な運転の方法を多くの方に届けたい、、、それが僕の願いです。
よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。