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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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#中村尚人

【臨床日記】数年ぶりの再会の方からの報告

コロナ自粛からお会いできていなかった方と先日スタジオの階段ですれ違って嬉しい報告をいただきました。 内股の骨格だったことをクラスを通じて知って、そこから気をつけていたら、股関節や膝の痛みが出なくなったと。 山に登っても出なくなってとても嬉しかったと。 内股の骨格というのは「前捻角の増大」のことです。 前捻角については色々な記事で書いていますのでそちらを読んでください。 これはとってもシンプルでありながら真理であり、知らない方にとっては気づきによって人生が好転します。 も

【日記】ケーキの切れない非行少年たち

ラジオでこの著者である精神科医宮口先生の話を聞きました。 軽度な知的障害の子どもたちが社会に適応できずに結果として凶悪犯罪を犯してしまっていると。 受刑者たちは「見た通りに書きなさい」が出来ない。 IQ75以下だと障害者として支援の対象となるが、85程度の境界域の子どもたちは、支援もされず忘れられていると、、、。 実は7人に1人が境界域の人で、珍しくないという。 出来る人は頑張ったととして評価されるのが常識。 でも出来ない人が頑張っていないとは限らない。 頑張れない人が

【臨床日記】3年間リハビリに通ったのに、、、一度もやってもらったことない

今回もあまり問題提起しすぎるのもどうかなと思いますが、現状のクリニックなどでのリハビリテーションの質の低さについては患者さんにとってあまりにも損害が大きいので、そういうところもまだあるという事実は残すべきだと思い書き記します。 腰痛症でクリニックに3年間通われていた方。 骨格的に腰部側弯(左凸)、脚長差6ミリ(左が短い)があり腰部への負担はとても高くなっていました。 股関節の伸展制限が右にあり、同じく右の大腿四頭筋、腸腰筋、腰方形筋に短縮を認めました。 歩行分析でも、墜

【日記】多くの運動指導者はその競技の骨格に適合してた人が残っている

運動やスポーツの指導場面で先生からよく注意される人がいます。 「もっと足を開いて。外に開く筋肉をもっと意識して。」 確かに、膝を外に開く必要がある時に内に入ってくれば、筋力が弱いと判断してしまうのは分かります。 でも、、、もしかしたら骨格として、内側に入ってきてしまっているのかもしれないという可能性について考える指導者は少ないです。 生徒さんは、先生に筋力が弱いと言われれば、そうか自分の筋力の弱さがそうさせているんだから、頑張って先生のようになろうと努力されまます。

【日記】原因が分からないのに対症療法している医療サービス〜特に理学療法〜

僕は医療保険を使わないサービスとして、ピラティスやヨガ、そしてパーソナルレッスンを提供しています。 パーソナルには、クリニックで理学療法を受けている方もよくいらっしゃいます。 僕も理学療法士ですので、同業です。 でも彼らが何をしているか確認すると、ことごとく対症療法です。 痛みや違和感、変形の原因について説明されましたか?と聞いても、説明を受けたという方は皆無です。 なぜ痛いのかを解説せずに理学療法を提供しているのです。 先日来られたかたは、腸骨の回旋偏位があり、股関

【Q&A】Q:子ども向けの靴でおすすめありますか?

A:できるだけ裸足がいいと思います。 可能ならサンダルか草履。 靴を履くなら、できるだけ余計なことをしていないものがいいでしょう。 子どもの頃から「インソールでアーチをサポート!」みたいな変なものには注意しましょう。 子どもの足はサポートして作るようなものではありません。 大人の発想で、扁平足をサポートして直すみたいな、、、。 2歳くらいまでは全員扁平足ですし、4歳から6歳くらいで出来上がるものなので、焦ってインソール付きの靴なんて選ばないようにしましょう。 それよりも、

【日記】身に沁みて分かる

昔、早稲田大学名誉教授の春木豊先生にヨガ療法の同期の有志に対して、定期的に講義をしてくれた時期がありました。 春木先生が提唱する「身体心理学」は自分のヨガや予防運動の活動における基本的な理論背景になっています。 理学療法士でありながら、心に関しても関与したいという思いを身体技法から可能でと背中を押してくれたのが身体心理学です。 先生の新書はバイブルですので、ぜひ読んだことない方は読んでいただきたいです。 その春木先生がよく「身に沁みて分かる」ことが重要なんだよとおっしゃ

【商品紹介】新感覚のバランストレーニング〜Balance Rocker〜

試作品から1年、やっとですがHPが出来上がり、量産体制も整い一般販売がスタートしました。 物価高騰は原材料にも例外に漏れず直撃で、原価高騰によって大変な部分もありますが、何とかこのプロダクトを届けられるようになりました。 バランスロッカー®︎は僕が大学病院勤務時代の20年以上前から思っていたプロダクトです。 下半身の深部感覚障害の強い患者さんを担当していた時に、いわゆるディジョックなどでのバランス機器では対応できず、自分で板と棒状の気を使って即席のバランス機器を作りました

【日記】自分が不完全だと思うことが、最適解を見つける条件だと思う

ある問題点を解決しようとすると、大体がそのことに関して答えを持っているという団体なり思想に出合います。 そしてそれらの思想を勉強すると、そのコンセプトによって自分がバージョンアップするのが分かり嬉しいですね。 でも、それを一定期間現場で使っていくと、そこに少しずつ問題点も見えるようになります。 そして、多くの場合はメリットとデメリット、作用と副作用、一長一短があるのが分かるようになります。 全てに於いて完璧というのはありませんので、当然でもあります。 その一長一短を感じるよ

【臨床日記】骨盤の真ん中ってどこ?〜前後傾問題〜

反り腰だの後傾だの、骨盤は何かと迷宮入りしやすいところですね。 中枢の座位訓練でも骨盤を起こす時にどこまで起こせばいいか悩みながら臨床をしている人も多いでしょう。 インストラクターなどの運動指導者も同じく、骨盤の真ん中というのはどこなのか分からず、前後傾してその真ん中で止めてとか、恥骨とASIS が床と垂直とか、ASIS とPSISはPSIS が二横指分高いとか、色々な指標を持ち出して、あぁだこぉだやっているのでしょう。 腸骨には回旋偏位があることがあります。 そうなると

【予防運動】外界への意識を内に向けると身体のニュートラルが分かる

姿勢が悪い人っていますよね。 正しい姿勢は関節のニュートラルが基本になりますが、この関節の感覚というのは深部感覚の一つである位置覚によって成り立ちます。 しかしこの感覚は、いわゆる五感などの外部感覚に比べてとても声が小さい繊細な感覚です。 ですから、集中して耳を傾けないと聞けません。 この繊細なものに気付ける能力こそが感受性であり、自分の状態を客観的に把握するために必要な条件です。 よく運動指導をしていると、ここが正しい姿勢ですよと修正すと「よく分かりません」という方が

【臨床日記】理学的検査と理学的診断の重要性

医師は主訴を持ってこられた患者さんがこられると、まず問診をして、そこから想定される疾患をある程度決め、それに即した検査を依頼します。 その後、検査結果をみながら疾患の重症度や疾患を特定し、次に必要な処置や対処方法を決定します。 どこの施設もこの流れは一緒でしょう。 一般的に言っても専門的に言っても当たり前の流れです。 では理学療法、リハビリテーションはどうでしょうか? 医師の診察ののち、リハビリの方に患者さんと一緒に指示箋がきます。 内容的には、運動療法の指示やリスク

【脚長差の啓蒙】2021年新患124名の方々の脚長差の割合

2021年TAKT EIGHTパーソナルレッスンでは124名の方にご利用いただきました。 色々なデータを取らせていただいていますが、今回は脚長差に関してシェアしたいと思います。 脚長差の割合は文献によって30〜90%と相当の開きがあります。 対象としている方の属性によって差があるということでしょうが、スポーツに関しては90%と大きのは臨床的にも感じるところです。 さて、当スタジオの場合にも、バイアスはありました、何かしらの不調などをお持ちの方が改善を期待していらっしゃいま

【日記】インド人の足はとってもいい足

ここ3年間行けていませんが、インドに行った時にふとインド人の方の足を見るととってもいい足してるんです。 日本人の場合、外反母趾や扁平足などの足の変形は多いですよね。 よくそれらの変形について質問も受けます。 僕の印象としては、先ずは靴が悪い。 そもそも人の足は、足そのもので十分機能を持っているので、靴や靴下なんかで締め付けることそのものが異常。 西洋は靴の文化なので、何となく靴はいい物だみたいない雰囲気がありますが、インドを含めてアジアやアフリカなどでは裸足やサンダルが当た