ザ・ルースターズ、デジタル配信記念 その2〜"Hard Rain"についての考察
アルバム『GOOD DREAMS』(1984年)収録の“Hard Rain"は、ライヴでは1982年夏頃に既に披露されていた。同年7月に新宿ロフトで行われたライヴでは『雨』と紹介されている。この日はC.M.C.の元タイトルである”Summer Summer Summer"やサンハウスの『もうがまんできない』、キッド・クレオール&ザ・ココナッツの"No Fish Today”なども演奏されている。音楽性が広がって実験色も強かった時期でもある。この頃はリズムが強調されているが、曲の構成は1984年頃とほぼ同じ。
82年夏頃のルースターズ。
大江さんが本格復帰する直前、1983年8月17日に新宿ロフトでのライヴでは、アンコールで演奏されている。DIS.制作時にレコーディングされ、いち早く新生ルースターズを聴かせたかったのかもしれない。別の日のロフトのライヴでは”GOOD DREAMS"をやったようだ。
アルバム発売直前の1984年3月19日、神戸のチキンジョージのライヴでは一曲目に演奏している。
4月にFM福岡でやったスタジオ・ライヴでは、この曲とドアーズの"L.A. WOMAN"がオンエアされた。ドアーズのこの曲はDIS.とGDのツアーでもセットリストに入っている。
ちなみにこの頃のライヴでは、前半はこういう流れが多かった。
I'm Swaying In The Air
Hard Rain
Sad Song
ライヴではほぼ毎回演奏されたようだし、この時期の重要なレパートリーだったのだ、"Hard Rain"は。
公式テイクでは浮遊感のあるアレンジだか、ライヴでは花田さんのシャープなギターのリフが曲の骨格となり、下山さんのフリーキーなソロが折り重なる。またライヴでは"Hard rain beat up here"というリフレインが歌われる。
どこかのインタビューで、この曲はデヴィッド・ボウイの"Heroes"の影響というのを読んだ記憶があるが…。いずれにしても、淡々とした描写の日本語詞にイギリスNEW WAVEの香りがミックスされた独特の世界観。孤高の時期の代表曲と思う。
最後にレアなチラシを。
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