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下の句カルタ(百人一首)の話

なんじゃこりゃ

離れた地域にキャンプにいったりすると
楽しみなのが
ご当地食材だ。
地元のスーパーにいって、
なにこれ?ってもんを買う。

そんな感じで、全国に講演とかにいって
児童館や放課後児童クラブを見学させてもらうと、見たことがない『玩具』や『あそび』に
出会うことがある。

『……!なにこれ、よめへん』

数年前に札幌に行った時、
児童会館(札幌は児童館のことを児童会館とよびます)にこれがあった。

『?????なんやこれ??』
手に取ってみる
1つづつ違う板のようだ
材はホオノキだろうか
柔らかく、重厚感がある。
版画に使われる材料として有名。

これは
『下の句カルタ』とよばれる
百人一首である。
つまり百人一首の取り札が『木製』なのだ
調べてみると、これがおもしろい

ルーツは会津にあり

下の句カルタは
もともと
福島会津若松でつくられた。
幕末に戊辰戦争で負けた会津藩は
多くが北海道の移民となったと聞く。

その際に、会津から持ち込まれた。

もう1つ面白いのが、
お膝元の会津はこれが使われていない。
というか
廃れてしまっているのだ。

地方の文化玩具が、違う地域で根付いた
珍しいなケースであろう。

読み方

一般的な百人一首では
読み手が、独特の節をつけながら
上の句から下の句を読む。
下の句の1文字目にすぐ動いて取るイメージがあり、読み手はもう一度下の句をくりかえす。

たとえば

ちはやぶる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
(在原業平朝臣)

であれば

ちはやぶるかみよもきかずたつたがは
からくれなゐにみづくくるとは
からくれなゐにみづくくるとは

と唄う。

一方、下の句カルタは
その名の通り、下の句しか読まんので

「からくれなゐにみづくくるとは」

となるのだ。
シンプルだけど、下の句カルタの独特な文字を読み解くのがむずい

【参考・意味】
不思議なことが多かった神代にも聞いたことがない。竜田川が真っ赤に括り染めになるなんて。

対戦方式

私たちが知っている百人一首は
基本1体1の個人戦

団体戦となっても、各自は個人なので、
剣道の団体戦に近い。


一方、北海道の皆様は違う。
基本は3人戦である

https://ima-channel.com/enjoy/6352.html


競技は1チーム3人の対抗戦で行われる。3人は攻め(突手)、中間(中堅)、守り(守備)に分かれて横1列に並び、攻めと敵チームの守りが向き合う。

各チームが50枚ずつ札を持ち、それを3人で分けて配置する。初期配置は、各5枚以上となっているが、攻め5枚、中間5枚、守り40枚の分け方が一般的である。持っている札が読まれ、持ち札が5枚未満になったら、読み上げの合間に札を横に送って5枚以上を保つ。また、チームの札の総枚数が14枚以下となった場合は各人3枚以上、8枚以下になった場合は各人1枚以上の札を持つ。

取ることのできる札は自分の持ち札と向かいの敵の札のみであり、横の札は取れない。敵の札を取ったときには味方の札を敵側に送る。お手つきの場合は敵から、守りから攻めを通されて札を受け取る。

チームの残り札が2枚になると、持ち札がなくなったメンバーとその向かいの敵が抜けて2人対2人の対戦となる(敵方は抜けるときに自分の持ち札を横のメンバーに送る)。残り1枚になると同様に1人対1人の対戦となり、0枚になれば勝利となる。 残り2枚以下になったチームがお手つきにより3枚以上となった場合でも、3人対3人の対戦には戻らない。

振り返り

木札を取り合うって
痛くないのか……

という問いに、
よく見ると血がついていたりするとの返答。

なんということだ。
アグレッシブすぎるで北海道民。
そして、この自体を読める
北海道の子どもたちがカッコよすぎるぞ。

しかも今は廃れた会津本家では
されてないのに、
文化が場所を変えて、根付いているのが面白い。

所で、
『ぼうずめくり』はどうすんの?

読み札は紙らしいので、
坊主めくりは普通にできるようだ。
なんとなく安心した。
普通ってだけで
平和な感じがする……

なんか常に木の板が猛スピードで
ぶっ飛んでくるイメージがある。

機会があれば、
是非に木札の百人一首をやってるところを見てみたい。

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