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被災地に対してデザイナーの本質と向き合う


今年の元旦に起きた
能登の大地震
地元である私はちょうど帰省し
家族との団欒の中にいました

正月の暖かい団欒は一瞬で凍りつく被災現場となってしまいました。
たった数分間の出来事で脳が追いついていけていないのを
今でも思い出します。

数週間が経ち被災地から離れ自宅の横浜に戻りましたが
能登のためにデザイナーである僕ができることはないかと考え、
なかなか見つからず、モヤモヤとした日々を送っていました。



しかし数ヶ月後、地元の市議会議員をしている友人からの依頼で一つのプロジェクトが動きました。
依頼は能登復興支援のWEBサイト制作とクラウドファンディングの運用。

クラウドファンディングの対象は石川県七尾市の「山の寺寺院群」という様々宗教の16の寺院が一ヶ所に集まるという珍しい地域があり、各寺に伝わる文化遺産がかなり重要なものとのこと。
そこでの被災はひどく文化財の破損ももちろん、お寺の家族も住めないような状況だといいます。

そもそも建物が古く、災害にも弱いし古いゆえにとても貴重な遺産であるといいます。
現に山の寺の一つ、実家の檀那寺でもある「長壽寺」の釣鐘堂は倒れてしまいましたが、茶釜師宮崎彦九郎儀一(初代・宮崎寒雉)の作であり、七尾市内でも最も古い梵鐘とも言われています。

戦時中の金属供出で多くの梵鐘が消滅したのですが、国宝・重文・慶長末年(1615年)以前の梵鐘は除外されたとのことで
残っている梵鐘はかなり貴重であると言えます。


そんな貴重な文化遺産が多く残る16の寺院の被害の総額はクラウドファンディングなどでの施策でどうにかなる規模の金額ではなく、かなり深刻な状況でした。

それゆえ、このプロジェクトは、長期に渡り未来の「山の寺寺院群」をプロデュースまで行うプロジェクトである必要があるし、それが七尾全体を救うことにもつながります。

私がデザインの力でなかなか支援への行動に移せなかったのは
デザインだけを考えていたから。

デザイナーの本質はデザイン以外で何ができるのか?

デザインの本質に向き合えるプロジェクトに出会えたことを感謝します。

自分たちがどこまでできるかはわかりません。
どこまで復興できるのかもわかりません。

ですが、この復興を機に更なる発展を考えるきっかけにできればと思いますし、大切なのは楽しく未来を明るく希望に満ちた能登を目標にするためには我々が楽しく明るく取り組むこと。

復興は前向きな思いでしか成し遂げられないと思っています。


ほっと石川旅ねっと公式サイトより


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