インソムニア、アガンベン、頓服
眠る前、時間が降り積もる様子をみてみたいな…などと愚にもつかないことを思いながらメリング「歌う石」の冒頭を読んでいた。
起床しても、今日と昨日でなにが違うのか分かりません。
私は悲しい。
自分の狭量さ、意地悪さ、頭の悪さが。
エゴの強さが。
どうして私はこんなにも醜い存在なのか。
愛される能力も、自分を表現できる仕事も、家族も、沢山の友人も全部弟がもっていったと感じる。
それでいい、それでいいじゃないか。
私には、宇宙を隅々まで探しても見つからない夫と、この、オリジナルのこころ、そしてかけがえない友人と本がある。
夫が私につくってくれた居場所がある。
それだけで幸せなはずだ。
それでもたまらなく淋しい。
世界中から要らないと言われる夜がやってくる。
昨夜、私はメリングを横に置いたあと、ちいさい白い本を手に取り、数ページ読んだ。
アガンベンの随想だ。
「取り返しのつかないこと」と「可感的な世界」に就いて書いてあった。
正直、難解でちっとも解ったためしがない。
それでも、私は彼の書くものが好きで、この泉下の哲学者が必死で私を慰めてくれようとしているのが「分かる」のだ。
アガンベンと2錠の頓服のおかげで、私は明け方少し微睡むことができた。
朝、仕事場にきて、珈琲をのみながら仕事が出来る事がたまらなく有り難い。
エド・シーランを聴きながらちょっと泣く。
最近、泣けてなかったな、そういえば。
これは、私にとっては聖なる仕事。
労働こそが私を落ち着かせるいちばんの頓服なのかもしれない。
私は禅の高僧やソローになれそうもない高貴の真反対にいる卑しい存在なので…。
でも、ソローと小島信夫をポチったんですけどね。
なんでやねん。
何が言いたいのか。
つまり、今日は体調が悪いので、弟に当たり散らしてスッキリしようとしている悪い姉なんです。
•ө•)♡ありがとうございます٩(♡ε♡ )۶