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眠りにつく前に本を読み、わたしは父へのイライラを鎮めた

昨日、仕事帰りのくったくたのときに父から電話。
うちの両親は一方的に言いたいことを言いまくるので、それだけで疲れる。
もっと静かにゆっくり話せ。
いや、話してくださいませね。

脳の注意資源は限られており、夜には私の場合、ほぼゼロである。
いくら礼節を保とうと思っても、今からあごだしまぜそば食って寝るだけの人間に親戚づきあいの話を持ち出されてもね。
逆らってもややこしくなるだけなので、日付だけ『ここしか無理やで』、と突きつけて切る。

昔から、なんとなく私は親の面子を保つために使われてきた、という意識がある。
もちろん、感謝すべきはしてるけどもさ。

血の繋がりによる絆をあんまり信じていないので、余計そう思うのかも。
昔みたいに、大人になっても地縁血縁関係が生死に直結する時代は終わったと個人的に感じていますし。

さて、そんな苛つきを抱えながら布団に入ったわけだが、枕元にガラン版の「千一夜物語」を置いてあったお陰で、入眠できました。
岩波書店さん、ありがとうございます。
私は岩波書店さんが大好きであります。

言わずとしれた、「アラジン」や「シンドバット」の原型。

この、語りの魔術にいったん嵌まれば、あら不思議。
入れ子構造のアラビアンナイトの世界へダイブ。
まさに、夢のなかの夢。

シェヘラザードの語る、おもしろく不思議なはなしにゆっくり耳をかたむけていると、強張った心が、あたたかく寛容にひろがるのを感じる。

これは、絶対に一気読みしないことをおすすめする。

まさに千一夜かけても損はない、造本もすてきに美しい、御褒美本なのだ。

私のイライラの原因も三日月刀で斬られたように、いつの間にやら霧散した…(かのように思えた)

現実はいつも剥き出しのやるせなさで私達を苦しめるが、良い物語はいつもわたしたちを彼方へ連れて行ってくれるので、まぁとんとん、ということで。

•ө•)♡ありがとうございます٩(♡ε♡ )۶