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海外研修は「精神と時の部屋」

産婦人科をローテしました。
理由はもちろん夢を叶えるためです。

女性器の解剖を理解することで、
外傷診療(主に止血)に役立たせる狙いもあります。
ただそれ以上の理由がありますが、
今は言うタイミングではないので伏せておきます。

私の場合、ローテ期間は最小限に留め、
残りは全て外傷に使いたいと考えていたため、
1週間の研修でお願いしました。

ただ日本で研修しようと思うと、
こうはいきません。
産婦人科をローテーションしようと思うと
最低1ヶ月単位かと思います。
帝王切開の手術件数もタイに比べ少ないです。
私の働く病院は大きい病院ですが、
帝王切開の件数はタイに比べ少ないと思います。

また日本で同様の研修を求めた知人の聞くに、
「帝王切開だけやって何になるのか」
と上司に言われ、周産期すべて学ぶことに。

日本では「選択と集中」が許されず、
結果的に同じ結果を得るために
研修は10ヶ月必要だったとのこと。

もちろんその研修をすることで、
他の得るものも多かったとのことですが、
夢への到達はその分遅れてしまいます。

よく本にも書いてありますが、
「その環境は、それに最適な場所なのか。」
と自問自答することの大切さ。

Khon Kaenは「精神と時の部屋」、
私にとって夢を達成するのに最適な場所です。

実際初日の月曜日は、
子供の学校の親子面談があったため、
実質の研修は4日間となってしまいました。

また産婦人科の部長も
「なぜ外傷外科医が産婦人科をローテするのか?」と
やはり疑問を持たれたようですが、
私のVisionをお話しすると
快く手術に参加させてくれました。

*もしかすると私に子供が3人いたり、
妻が助産師を目指していることもプラスに働いたのかもしれません。

参加できた手術は、
希望していた帝王切開は12件、
子宮全摘術は2件と
非常に多くの手術に参加させてくれました。

タイは帝王切開が出産全体の約15%と多く、
私が参加した週は火曜日から金曜日まで、
3-7-2-8件と帝王切開の数も非常に豊富でした。

後期研修医と学生で手術できる体制であり、
私も帝王切開の手術の第一助手として
6件の手術に参加しました。
執刀できるようにという意識で参加したため、
子宮全摘術に参加し解剖が理解できました。

子宮全摘はもう少し手術に参加したいと思い、
聞いたところ、
外傷チームに戻った後でも、
手術参加していいよと言ってくれまして、
実際にそうするつもりです。

中でもお世話になったMo先生。
彼女は産婦人科スタッフで、
夫は外傷を専門とする整形外科医。
夜間でもお互い呼び出しがあるため、
私より年上なのに
院内のアパートに住んでいるとのことでした。

ただ家のルールがあり、
どちらかが夜間緊急手術に参加する場合、
もう一方は家に必ず残るというルールです。

これを決めた夫婦もですし、
これを受け入れる病院は
それぞれのチームも素晴らしいと感じました。

私たち医療者も人です。
一番大切な家族を大切にできて
患者さんに貢献できると考えています。
非常に共感でき、
また参考になる取り決めだと思いました。

また助産師になりたい妻にも、
良い機会なので見学してほしいと思いました。

妻も是非とのことで依頼すると、
翌日には許可が降り、
異国のLabor roomや帝王切開を
見学することができました。

少し散歩したのち、ソンテオに乗り病院へ

妻としては
妊婦のスクリーニングシステムや手術も然り、
タイの助産師の働き方も参考になったと、
喜んでくれ、私もハッピーです。

また妻にも新たな選択肢ができたと思います。
もし短時間でお産を取りたいと思えば、
Khon Kaenで研修することもできるか?

*もちろん私以上に患者さんとの
コミュニケーションが
タイ語で必要にはなりますが。。。

今回の研修は私たち夫婦にとって
非常に有意義なものとなりました。

タイの方は非常に親切であり、
素直にやりたいと声をあげれば、
基本OKと言ってくれます。

今日は
先週1週間の産婦人科研修が私にとって、
「精神と時の部屋」だった、
というお話でした。

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