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異国でマージャン倶楽部に入る

最近できた新しい趣味、それはMahjong (マージャン)。

リモートワークな日々を過ごしていると、家に篭りがちになります。気づくと日中誰とも会話していなかったり外出していない日が続いたり。

これはまずいと思い、かねてより気になっていた、ノルウェー・スタバンゲル在住の外国人コミュニティに入りました。かつて外国人駐在妻の業界互助会団体として創立され、50年の歴史を持つコミュニティです。現在は、イベントに参加したい人、人と繋がりたい人、趣味のクラブを楽しみたい人であれば誰でも参加できる有料コミュニティ。

コミュニティ内には趣味のクラブ活動があり、編み物、ハイキング、フード、アートクラフト、映画、読書、などがありますが、私が現在アクティブに参加しているのがマージャンクラブ。

なぜマージャンなのか。ここに来るまで一度もやったことがなく、麻雀→煙モクモクの雀荘→ギャンブル、のイメージしか持っていなかったというのに。

答えは単純。日本人とシンガポール人のママ友がメンバーだったから。知っている人がいたら新しいコミュニティも入りやすいというものです。
新しい趣味を始めたい、知り合いを増やしたい、でも根が人見知りで臆病な私にはありがたい後押しでした。

ユニークなルールの海外Mahjong

麻雀経験が少しあった日本人ママ友によると、このコミュニティのマージャンは日本の麻雀と随分違い、最初かなり戸惑ったとか。

まず、麻雀の掛け声や牌の読み方が英語。
たとえばリーチは「フィッシング」。漢数字マンズは「キャラクター」でソーズとピンズはその形からそれぞれ「バンブー」と「サークル」。
私は正当な中国式の言い方を知らないまま英語式で学んでいます。

マージャンセットも、国際版。漢字文化圏でないと牌を理解するのが大変なので、数牌・字牌の片隅に算用数字や英語のイニシャルがついています。

インターナショナル版マージャンセット

中でもユニークなのが、アガリ(Hands)の形。
改変に改変を重ね、現在は90のアガリパターンがあるのですが、ユニークな形がいくつも加味されています。
たとえば、Civil War (南北戦争)と名のついたアガリは、1 8 6 1 と 1 8 6 5 、北・南のパイを揃えたり(アメリカ人メンバーが考案したに違いない)。

アガリパターンのオリジナル図説マニュアルを毎回食い入るように見ながらプレーしてます

そして、基本ルールとして、点数は付けないし、お金は賭けません。

メンバーの出身国はバラバラ、さらに未経験者も多いので、誰でも、どの国の人でもプレイしやすいようにルール設計されています。

マージャンクラブの実用的な効用

楽しめるようだったら続けてみよう、と参加した週一のマージャン部ですが、3ヶ月がたち、当初の予想以上にはまってきました。
何が続けるモチベーションになっているのかと考えると、まずは実用的な効用が大きくふたつ。

  • 脳トレ:何度もプレイするうちに、マージャンの醍醐味がなんとなくわかってきました。ゲームを進めながら牌が出る確率を考え、作戦を練り直し、アガリの形を柔軟に変えていく。ゲームとして飽きない面白さがあります。

  • 英語学習:コミュニティ内は英語。第二言語である身には決してラクではないのですが、英語学習の場だとあえてありがたく思うようにしています。メンバーはゲームの最中もよくしゃべります。私は慣れないマージャンで必死に頭を使っているうえ、いろんなアクセントで交わされる雑談英語は非常に難易度高いので、マージャン中はなかなか会話に参戦できません。余裕を持って雑談できるようになるのが当面の目標です。

マージャンクラブでソーシャル力を鍛える

マージャン部の活動を少し補足すると、メンバーは約30人、コアメンバー10人程度がほぼ毎週参加します。午前10時に集まりゲーム開始。4〜5ラウンド勝負したあと、ランチしながら雑談し、午後2時くらいまでにバラバラと解散。メンバーが持ち回りでホストとなり、それぞれの自宅で場所とランチを提供します。

こういったクラブ活動で得られるのが、「社交の場」としての効用です。

  • いろんな国籍の人と知り合える:インターナショナルなコミュニティなので、いろんな国の人と知り合えます。お国柄が垣間見えたり、日本人とは違う価値観が新鮮かつ刺激をもらえます。

  • 幅広い年齢の人と出会える:メンバーの年齢は30代から70代くらいと幅広いコミュニティです。日常では同世代との付き合いに偏りがちになりますが、損得利害関係なく、いろんな世代の人とフラットに付き合える場は貴重。

  • 繋がりが持続しやすい:出会いの機会があっても、学校やオフィスという接点がなければ繋がりを継続するのは努力が必要なもの。週に一度、一定のメンバーと会い、同じ活動をするコミュニティはその継続設定があります。自分と共通点が少ないメンバーでも、一緒に過ごす時間とともに仲間意識が芽生えます。

  • ホストになって培うおもてなしレッスン:数ヶ月に一度、ホストする番がまわってきます。私が最初にホストした時はかなりテンパりました。他のメンバーがホストする様子を参考に準備したのですが、ランチのメニューにまず悩みます。せっかくなので和食テイストにしたいけどアジアンフードが苦手な人がいたっけ、インド人に牛肉は大丈夫かな、スナックや飲み物のチョイスはどうしよう、など気になるとキリがない。10人もの外国人が家に来ることなどなかったので手際が悪いったらありません。2回ホストを経験しましたが、余裕を持って楽しんでおもてなしできるようになりたいものです。

  • コミュニティ作りのベテランたち:クラブにはリーダーが数人いて、スムースに活動が続くよう尽力してくれています。クリスマス、バレンタインといった季節イベントを取り入れて楽しい企画を考えてくれたり、年に数回、山小屋でマージャン合宿があったり。コミュニティを通して人を楽しませるスキルやマネージメント力に感心します。個性豊かなメンバーが集まるコミュニティ運営は苦労も多いはず。見えないところで時間と労力をかけているに違いない運営メンバーには感謝です。

秋は感謝祭メニューを割り振りポットラックランチ
日本人ママ友は手巻き寿司ランチを準備してくれました。メンバー大喜び。
バレンタインデー・マージャンではギフト交換を。キャンドルにはMahjong のシールが。
お菓子作りが得意なメンバーがよく素敵なデザートを作ってくれます。

いろいろと書いてみましたが、結論、誰かと共に過ごす楽しい遊びの時間は、どこに住んでいても大切。人と繋がれたり、自分が欲しいスキルが得られるコミュニティはよいものです。
初めて参加した時は緊張したし、特に外国人コミュニティでハードルも高かったのですが、入ってみてよかったなぁと思います。

これから歳をとっていっても、楽しいと思えるコミュニティを見つけることができれば、なかったら自分たちで作っていければ、彩のある生活ができそうな気がします。






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