君逝きて浮世に花はなかりけり

漱石の俳句です。嫂の登世を悼む句。他に十数句ある。江藤淳によれば、漱石はこの早世した兄の妻を深く愛していた。たしかに、この句からは、そういう情熱が感じられる。他にもう一つ。

朝貌や咲たばかりの命哉

これなんかも、激しい思いが出ている句だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?