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ベートーヴェン”カカドゥ変奏曲ト長調Op.121a”にハマる。1週間以上毎日聴いてます… ブタペスト弦楽四重奏団&ジョージ・セル(pf)

ハマると、続けて同じものをとり続ける習癖がある。
例えば、外食先で同じメニューを頼み続けるとか。

10年ほど前は、大戸屋で味噌カツ定食に納豆をつけたのを頼み続け、妻に”味噌カツ納豆の人"って店員さんに言われてるよ、とからかわれた。
ジェラートは、店にあれば、ほぼ必ず”ラムレーズン”を頼む。
ラーメンなら、7割がた味噌ラーメンだ。

これは音楽にも言えることで、今は1週間以上、同じ曲を聴き続けている。

その曲は、ベートーヴェンのピアノトリオ作品121aです。
持っているCD(輸入盤だ)によれば、Piano Trio No.11 in G major op. 121a, Variations on "Ich bin der Schneider Kakadu"と記載されている曲。

『クラシック名曲大辞典』だと、”カカドゥ変奏曲ト長調Op.121a”と訳されてます。
解説には、”ヴェンツェル・ミュラーの歌劇「プラハの姉妹たち」の中の「私は仕立屋カカドゥ」を主題にした変奏曲。最後のピアノソナタで、後期に好んだ対位法も織り込み、3つの楽器の用法、変奏手法とも、円熟を極める。”とありました。

17:59と、曲の長さは短い。
電車で朝聴き、帰りの電車でも聴き、夜部屋で聴く、という日もあったくらい。

何がそんなにいいのだろう。
聴くたびによくなってくる。
ハマったのである。
大好きなジョージ・セルがピアノを弾いている、というのがもちろん大きい。
”彼の音楽”を聴きたいがために、大枚7,500円以上を出してAmazonからわざわざ取り寄せたのだ。
20枚組の、”BUTAPEST STRING QUARTET LIVE!"。

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これが、”あたり”だった。
このベートーヴェンと、ドボルジャークのピアノ五重奏曲と、モーツァルトのピアノ四重奏曲しか、他は聴いていないとしても、である。
要は、セルのピアノ目当てで、ハズレ覚悟のちょっとしたギャンブル。
何しろモノラル録音で、お目当てのセルが加わった録音は、1940年代という代物なのだから。

ところが期待通りに、セルのピアノが、最高(指揮者として有名なのに)。
それから、ブタペスト弦楽四重奏団も、最高。
他の団体が水っぽく聞こえるくらい、たっぷりとした音響である。
音に”意味”がある。
これは、セルのピアノともども言えることだ。

ただ音が正確にそろっているだけではダメなのだ。
戦前の、今は消えかかっていると思われる”伝統”と、技術的”完成度”が両立している名盤だと思う。

当たり前だけど、ベートーヴェンの音楽がいいのだ。
”古典”と呼ばれるにふさわしい、形式と内容の一致。
風格があって、親しみもある。
喜びと悲しみ、ペーソス…
実にいいんです。
大人の音楽です…

悪いけど、カップリング曲のドボルジャークのピアノ五重奏曲は、素敵だけど芸格はベートーヴェンには遠く及ばない。
セルとブタペスト弦楽四重奏団の演奏は、最高なのだけれど。

ベートーヴェンってすごいな、という平板な感想で締めくくります。
ベートーヴェンは、本当にすばらしいです。
よかったら聴いてみてください。

余談ですが、自分はバレンボイム、パールマン、デュ・プレの同曲異演盤を持っています。
ですが、未聴なのです。
いつ聴こうかまだ踏ん切りがつきません…
セル&ブタペストの名演から離れがたくて。

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