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起業して丸10年が経ちました

2014年6月1日。私が税務署に開業届を出した日です。

そして今日は2024年6月1日。そう。起業してから丸10年が経ったのです。

結論から言います。
起業当時、10年後に立ちたかった場所に今自分がいるかと言われたら、間違いなく「No」です。
「物事は思ったよりも進まないな」これが本音で言える感想です。

では、この10年の動き方に後悔があったのかと問われれば、自信を持って言えるのが「全く後悔はない」ということです。

さて、これまでの10年を軽く振り返りながら、私の経営者人生について今一度考えてみたいと思います。
節目ですからね(笑)

私は2013年の年末に多発性硬化症という難病に罹り、年明けを病院で過ごし、2ヶ月ほどの入院を経て退院します。
その頃の私は体調は安定せず、通院も繰り返していたため、毎日本当に辛くて死にそうでした。
本当に死ぬかもしれないと思っていたため、「人生は短い。ぼーっとしてたら人生はすぐに終わる」ということを当時27歳の私は身を以て確信しました。

「社長になりたい」
それはずっと以前から考えていたことでした。
このままでは自分の人生はあっという間に終わってしまうと思い、一念発起して税務署に開業届を出し、私は晴れて「個人事業主」となりました。
私はこれまで「DTPデザイナー」として仕事をしていたので、個人事業主として始めた仕事も広告デザインの仕事でした。

2014年の確定申告は半年しかなかったとは言え、38万円しか所得と言えるものがありませんでした。
仕事で苦しい事があった時は、この時の確定申告書を今でも見ます。あの時に比べたら、今は恵まれているからです。

起業当初の頃の話を最近でもよく聞かれます。
でも、これは本当に本当なんですけど、全然覚えてないんです。毎日体調が最悪で、お金も無くて、死ぬかもしれなかった記憶しか無くて、毎日何をしていたかなんて振り返る余裕もなければ、必死に何かやっていた自覚はあるのですけど、何をやったかなんて丁寧には考えてません。毎日、100件くらい飛び込み営業した月もあれば、諸先輩経営者の話を聞くために会合に参加したり、恥やプライドを捨てて知り合いや友人に「何でもやるので仕事ください」と頭を下げたこともあります。でもその一つ一つは覚えてません。たぶんひどいことを言われたこともあった気がしますし、昼ご飯を車内で食べてたらなぜか涙が出てきたこともあります。幸せそうな人が歩いてたら、めちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆られたこともありますが、理性がしっかりとそれを抑えたこともあった気がします。

でも、気がついたら売上は上がって社員が増えて、2017年には個人事業主から法人成りしました。

2017年は私にとってのターニングポイントです。
起業当初からずっとやりたかった「ゲストハウス(宿泊施設)の運営」の開業準備を始めた年です。
今でも弊社の所有物件でもある編湊(あみなと)です。
年商が1000万円くらいだった当時の自分にとって、1200万円かけてオープンした“ゲストハウス編湊”は、まさにチャレンジそのものでした。儲かるか儲からないかじゃなくて、編湊は私の夢を具現化した存在でした。ここで簡単には語りきれない、本当に大切なものが編湊です。

そして2017年は、私がジェットコースターマニアとしてマツコの知らない世界に出演させていただき、単なる趣味だった「ジェットコースター」が身の回りで大きく価値が変わりました。
テレビの出演は思い出づくりの意味合いで出演したのですけど、あまりの反響に私がジェットコースターに関してできることがあるのではないかと考えて、2019年に「合同会社ジェットコースター」という会社を設立する運びとなりました。

しかし2020年になり、誰もが同じ経験をしたとは思いますが、新型コロナウイルスの脅威によって、私だけではなく世界中がガラッと変わってしまいました。

2020年から2022年くらいまでの私は、大きく動くに動けず、既存の事業を何とか守ることでいっぱいいっぱいでした。

そして気がついたら今日で丸10年。
やはり今改めて振り返ってみても、自分の選択肢に一瞬たりとも後悔はありませんでした。自分はしっかりと後悔のない選択をしていたと思います。

一説によると、会社が10年後も存続してる確率は6%とも言われます。単純計算で94%が倒産や廃業をすると思うと、私は大変恵まれています。

さて、折しも10年です。
今後の私はどこに向かうのでしょうか。

ここまで事業をやってきて確信したことがあります。
それは、私は金銭的な贅沢がしたくて事業をやっているのではないということ。例えばもし仮に100億円とかいう途方もない大金を突然手に入れたとしても嬉しくないです。
資金として手に入れたのなら嬉しいですけど、100億円って事業資金として考えたら全然多い金額ではない気がします。
高級車に乗りたいわけではないし、高級腕時計も付けたいわけではない、豪邸に住みたいわけでもなければ、高級ブランド品に興味があるわけでもないです。
ただ、自分の理念を達成するための事業を行うのに、莫大な資金は必要です。
つまり私は大金持ちには成れないということです。でもそこを全然目指してません。
なのでこの先20年後、30年後も経営者で居たいですけど、自分が自由にプライベートで使えるお金はこの先も別に欲しくはないです。

今後の目標を書こうと思ったけど「今まで通りやる」これに落ち着いてしまいそうです。
でもやはり成長はしたいので事業拡大やそれに伴う売上の増加、そしてそのための資金の増強は目指します。

何にしてもまだまだこれからです。
皆様もどうぞ今後とも宜しくお願い申し上げます。

2024年6月1日
渡邉 直太

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