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 'Reset' 05:46 17th January 1995

当時私は須磨区板宿にあるビルのトップフロアに住んでいた。寒い冬の朝だったけど、気が高ぶって布団を頭から被って外に飛び出したのを覚えている。この映像は多分18日か19日に近所で撮ったものだ。火災が酷かった長田区がすぐ隣だったためすごい速さで火が近所までくるのを、避難所から毎日アパート周辺の確認に行った。幸い小さな川が近くにあり、火はそこを超えてくることはなかった。

この日を境に、私の周りの世の中が全て変わった。アパートは壁にヒビが入る程度だったが、6ヶ月近く全てのライフラインが回復するのにかかった。そして私は職を失った。
自衛隊が設置してくれたお風呂に入り、炊き出しの列に並び。お金をどうしていたかはよく覚えていない。多分何もないから生活費はほとんどかからなかったんじゃないかしら?

ここに書きたいことは、私の震災のドキュメントではなくて、今回初めて気が付いたことだ。それは一言でいえば、「リセット」何のリセットかというと世の中レベルのリセット。基本的に私は一人一宇宙と思っているので、ここでの世の中というのは一般的に言われている社会みたいなものではなく、同じ現象を経験、共有している人たちの集合体という事かな。震災を機に、見知らぬ人たちから親切にしてもらったり交流ななかったご近所さんと交流が始まったり。そしてこうやってロンドンで生活するきっかけとなったり。あの時出逢ったほとんどの人々にはもう会えない。なんだか夢の中の出来事のような感じがする。28年経った今振り返ってみると、私の人生の流れを変える大変革なイベントだったのだ。
2020年のパンデミック。今回は世界レベルのイベントだったよね。(現在進行形のところもあるのだけど)私にとっては、震災以来の予想外の世の中の動き。ということは、これからまたまた大変革が来るのかもしれない。2023年、なんだかソワソワする初まりです。

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