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京都に住みたい!

3浪をしてまでも入りたかった大学に入れず、そんな日本の社会が嫌いで日本を飛び出した。20代。貧乏と言葉の壁に挫折した、アメリカ合衆国。ここはもしかして第二の故郷となるかもと思ったカリブ海の島国。結婚、子育てと大学生活、そして離婚。and… 現在進行形の英国。荒地のような心に今ぽっと暖かい灯がともっているのは、日本が育んできた審美眼。外国人が憧れている、ステロタイプの金ピカのやつじゃなくって、鴨長明の世界さ。禅文化が定着する前から「もののあわれ」って、よく古文の教科書とかにあったやつよ。ドナルド・キーンが説明しちゃってるやつ。わたしはもう、日本に住んでいた時間より海外にいる時間の方が長くなってしまったことと、年齢を重ねてノスタルジックになっているのだろう。詫びた街並みや、昭和の香りがする路地。きっと日本全国そういう場所はあるのだろうけど。
京都!ただただ、普通にその街並みで暮らしてみたいの。御上りさん、と呼ばれようが、気にしない。近所のお豆腐屋さんまでで自転車漕いでお豆腐を買い、今夜は湯どうふかと想像するだけで顔がにやける。夕方は行きつけのバーで「あー今日の夕日も綺麗だったなぁ」一杯ひっかけながらニヤリ。近所のお寺の鐘がぐぉーんと響く。そして女ひとり呑んだくれて、夜は更けるのだった。

#どこでも住めるとしたら


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