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3分間の苦行〜緊張の壁はいつも高い〜

通っている訓練校では、日直当番というものがあって、ウン十年ぶりに授業後の黒板(今やホワイトボードだけど)消しをしたり、放課後の掃除だったり、日誌をつけたりなんてことをしている。
なんだか懐かしく昔を思い出したりしているのだけれど、その日直の仕事には私の大がつくほど苦手な3分間スピーチというものがある。
生徒は20数人で授業日数は合計60日程度、私は出席番号が早い方なので、講座修了までに日直は確実に3回巡ってくる。
スピーチをしなくてはいけないことを知ったそばから、自分がいつ日直に当たるのか計算したので3回順番が回ってくることは間違いない。
日直という雑用は嫌いではなく、むしろ好きなくらいのだけれど、3分間スピーチが付いてくるとなると話が変わってくる。
自分のことを話すことは嫌ではないし、自分のことを知ってもらったり、自分の考えを話すことが嫌ではないのだけれど、これが『人前で話す』ということになると途端に緊張して声が震え、手が震え・・・なんとも不様になってしまう。
ええ格好しぃな私は、過緊張になった自分がすごく嫌で、大抵人前でスピーチした後はその不様さにガクッと落ち込むし、喋った内容を覚えていなかったりする(話している途中で頭が真っ白になるから)。
数年前ある人から、人前で上手く話すことができない私に「自意識過剰だから緊張するんだ。他人はそこまであなたに興味ないから。」と言われた時、それはそれでなんというか、切ない気持ちになった。
出席番号が早い方になるような名前にした先祖を恨みたい。
因みに出席番号が誕生日順であっても私は早い方である。
初回の3分間スピーチはまだ良かった。自己紹介で良かったから。
でもその自己紹介ですら緊張して、前の晩から落ち着かないし、スピーチ中は声が震え足がガクガクするというなんとも情けない姿を披露してしまった。

今回は2回目。数週間前から話す内容とか話の順序とか、頭の中は3分間スピーチのことで一杯だった。
悩んだ挙句、スピーチのテーマは「私の趣味とその趣味との向き合い方について」にした。なんとまぁ堅苦しいテーマだけど、要は自分の趣味をちょっと詳しく話した。↓こんな風に。

私は子供の頃から手芸が好きでした。
というのも母が元々手芸が得意で、親の服や近所のお姉ちゃんのお下がりをメイクして私たち子供に着させたりすることがあって、『手芸』とか『リメイク』が身近な環境に育ちました。
小学生の頃、夏休みの自由研究という宿題には、何度か洋服を作って作品を提出したこともありました。
社会人(看護師)になってからは仕事が忙しく、洋裁や手芸をする時間がなくなり全く手を出さなくなっていました。
それが今、「趣味は手芸です」というほどになったのにはきっかけがあります。
社会人(看護師)になって10年ほど過ぎた頃、知り合った人に「休みの日何やってんの?趣味は何?」と聞かれて「休みの日?映画見に行ったり、ショッピングしたり・・・」と答えましたが、私の趣味ってなんだっけ?とふと思ったんです。
映画とかショッピングって一時的な楽しみではあるけど、趣味っていうほどのことではないなぁ(私にとっては)と。
私が好きなことって何か考えたら、「そうだ!私、手芸が好きだった!」と思い出したんです。
丁度その頃、友達の第2子出産ブームで出産祝いに何を贈ろうと考えていたのもあり、久しぶりに制作したのがベビー服です。

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↑前と↓後ろ

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1枚目と2枚目の写真は1着の前後で、3枚目の写真は別の1着なんですが、この2着は着なくなったTシャツからリメイクしたものです。
私は手芸が趣味なのですが、合理主義で貧乏性なのもあって『使えるもの』で、しかも『材料を新しく買わずに制作する』ことを制作する上でのモットーにしています。
なのでこのような作品になりましたが、手芸のいいところって自分で自分の作ったものを見ながら「私って天才!」って自己満足できるところだと思っています。
ベビー服なんて私が赤ちゃんだった頃よりも可愛くて安いものが既製品で手に入る時代になりましたけど、ほんの一時しか着ることのないものだから手作りという特別感を友達に贈りたかったのだと今は思います。
ベビー服を作っているときには送る相手のことを想ったりして凄く楽しかったです。
一通り贈りたいものを制作して贈ったら、また仕事が忙しくなって手芸をする時間がなくなって、手芸から遠のいていました。
そこに来たのが、コロナ禍です。私が働いていた病院では、新型コロナウィルス感染者が日本で出てきた初期から、職員に「不要不急の外出をしないように」とか「同居家族以外の4人以上の外食をしないように」との通達が出ました。
そうなると、休みがあっても外出もままならず家に引きこもらざるに得ない状況になりました。
ストレスが溜まるので、その当初はマスクが手に入れにくくなったので、家にある布でマスクを制作して友達や病院に贈ったりしました。
最近ではマスクがどこでも買えますし、布マスクより不織布マスクの方が感染防止の効果が高いので、布マスクを作る必要がなくなりました。
最近制作したのはこのようなポットマットです。

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これ↑自慢ポイントを述べますと、円状に刺繍糸で刺子みたいになみ縫いをしているんですが、フリーハンドでやっています。
正直、ちょっとキチガイです。
でも、これを縫っている時って何も考えずにやれるので結構落ち着くんですよ。
今は、こういう地味な事をしながら韓国ドラマを観て、勝手に妄想して大泣きするのが私のストレス発散方法になりました。

と、このような話を3分間かけて話した。
結局なんか尻切れというか、締まりの悪い話し方になってしまった。
話を聞いてくれる相手が、皆好意的だったので良かったけど、話している最中に頭の中が真っ白になったり、脇汗どころか頭や背中に汗をかくし、準備してきたにも関わらず相変わらず不様だった。
苦行でしかない3分間スピーチは、残すところ後1回。最後はどんな話をしようか、今から悩んでいる。最後くらいはちゃんと話したい。
高すぎる緊張の壁は越えられるのだろうか?それが問題だ。

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