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誹謗中傷をしてしまう人への心のケア

本レポートでは、インターネット上での誹謗中傷について扱っていく。私がこのテーマに関心を持った理由は、自身でもSNSでの発信を行なっているがその中でもいくつかの誹謗中傷と言えるような発言を散見する。その上で発信を行う人、コメントを見る人が心地良い環境を作る方法を検討していきたい。
 本レポートでは、誹謗中傷という単語の定義を行う。誹謗とは、他人への悪口や罵る行為である。中傷とは、嘘や出鱈目を述べる行為である。誹謗中傷はデマや揶揄、罵倒、嫌がらせなどを含む言葉の暴力と同じ意味である。法律上では、「誹謗中傷」行為によって引き起こされる権利侵害(名誉毀損、侮辱)や業務妨害などが罪に問われる。
 この問題の背景や諸課題に関しては、プラットフォーム事業者との関係が挙げられる。共同規制、透明性確保、プラットフォーム事業者以外との関係といったものも課題であると挙げられる。
 近年ホットラインの受理数は2152件であり、氏名や住所顔を晒されるケースが多い。消去等の通知によって消去されたURLは573件、消去率は67%である。
 私の意見は、中傷を行なっている人への意識改善、本質的心のケアが大切ではないだろうか。本レポートで行うのは、様々な視点からこの誹謗中傷問題に対して分析する。その上でこれをどのように本質的、根源的に減らせるのかという検討である。
 誹謗中傷によって自殺してしまった事例について述べる。挙げられた誹謗中傷では、攻撃者は無自覚であり、Twitterでの攻撃的投稿が相次いでおり、匿名であるためその力を増大させていた。
 中傷する要因は、中傷する人物の精神的不安定さというものが挙げられる。具体的には、人格障害、社会性人格障害:冷淡で、暴力的である。罪悪感が乏しい。妄想性人格障害:被害的で、恨みを抱き続け安く、陰謀があると考える。アーリーアダプタ、こだわりが強い、正義感、目立ちたい、知識不足といった特徴である。
 資料からわかるのは、匿名性や、中傷の無自覚により、Twitter等での個人への中傷が増し自殺に至るケースがある。その要因は、中傷する側のリテラシーの低さ、恨みや陰謀を持ちやすい性格が挙げられる。こだわりが強い正義感、目立ちたいといった欲望によって行われる場合もある。
 今後の課題・提案は、今後も精神の安定しない方や、強い正義感、目立ちたい欲求などによって中傷が続くと考えられる。そこに対してプラットフォームで規制を促す場合、自由が侵害される可能性がある。ユーザーの意識レベル、感情の起伏などによる偏ったものの味方を改善する必要がある。固執した正義感に対して投稿する前にAIなどによってその内容が本当に適正かフィードバックを受けるべきである。システム上の面で、全体的リテラシーの向上、心理的安心感の形成を促すのも必要であると考える。この提案の実現可能性を述べる。AIによるフィードバックに関しては、現在チャットGPT等によるディープラーニングが活発に利用されている。AIには様々な質問への返答や、資料等の読み取り、要約などの能力がある。投稿する記事の内容が社会的に見て適性かを判断し訂正を促す文章や、一度落ち着いて考えさせる文章を提示できると考える。中傷を行なってしまう理由は、精神的な余裕や、ほかの社会生活の中でのストレスが原因であると考えられる。一度冷静に自分の書いた文章を客観視したり、フィードバックによって受け手の立場になるのが大切である。自分の発言への自由と同時に責任を持つ必要性について考えるのも重要である。誹謗中傷を減らし、中傷を行なってしまう当事者にとっても自分を見つめ直す良い機会になると考える。全体的なリテラシーの向上を促すための施策を述べる。X(旧Twitter)等には、アルゴリズムである似た意見を持った人が多く表示される仕組みがある。アルゴリズムによって多角的なコメントや意見が表示されるようになるり、固執したものの見方が広く物事を捉えられるようになると考える。システムの構築もアルゴリズムの設定により十分に可能であると思う。最後に、心理的安心感の形成というものの重要性は、中傷やきついものの言い方はその個人の孤独感や、不安感、恐怖心からきている面があると考える。目立つ発言や同じようなきついコメントを寄せる仲間をネット上で同調し合っている。それが彼らにとっての仮初の心理的安心感を作り出しているのだと思う。SNS上で過激な発言を行わなくてもその個人の存在や、1人の人生観を尊重され認められるような安心できるコミュニティーである必要がある。それが根本的なこの課題を解決することになると思う。具体的にはそこにもAIを活用し、ネガティブな発言が見受けられた場合、その人の人生観を分析する。そこからより人生が前向きになれるようなコーチング的フィードバックや励みになるユーザーの提案が挙げられる。
 まとめは、一面的に、中傷が悪い規制すべきであると考えるのをとどまる必要がある。そこにある潜在的な課題に対して規制だけでなく、フィードバックという仕組みでその課題を解決すべきであると考える。
『参考文献』
子どもを守る防犯用語事典2010年①
http://kids-bouhan.jp/pdf/jiten/jiten_73.pdf
東京大学情報研究法学研究会(参照:2023/10/17)②
https://www.soumu.go.jp/main_content/000836977.pdf
東洋経済 「止まぬ芸能人への誹謗中傷」(参照:2023/10/17)③
https://toyokeizai.net/articles/-/686733?display=b
Note 誹謗中傷する人について(参照:2023/10/17)④
https://note.com/wasedamental/n/nb918b0b1b2fc Note 誹謗中傷する人について(参照:2023/10/17)
https://note.com/wasedamental/n/nb918b0b1b2fc

 

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