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大学院、前期のふりかえり

昨年10月から通い始めた大学院、先週ようやく前期の試験をすべて終えることができました。完全にあきらめていた一科目を除いて、なんとか単位も取れそうです。自分の振り返りも兼ねて、どんなことを学んできたかを簡単にまとめたいと思います。

一年間のプログラムで、前期にほとんどの授業をとって後期は論文執筆にあてる流れになっています。New Media and Society in Europeという名の通り、新しいメディアが社会に与える影響を、理論、政策、経済などの観点から学際的に学びました。

私が前期にとったのは必修4科目、選択2科目、コミュニケーション学の補足授業2科目(これも必修)。さらに学期中に修論のための課題が段階的に3度設定されていました。

<必修>
・Brussels Talking(通期)
・European Media and Communication Policies
・Theories on Media, Technology and Society
・Critical Issues in Media Economics
<選択>
・Data, Privacy and Society
・Digital Methods and Innovation
<補足>
・Introduction to Communication Studies (これは諦めて後期に再試験、泣)
・Research Methods for Social Sciences

これだけの数の授業をいっぺんに学んだので、毎日ひいひい言っていました。最後には当然すべての科目で(通期を除く)試験や期末レポートが待っており、それも本当に辛かった。滝のように知識や情報を浴び、その場その場で理解することに必死だったのですが、試験勉強を経て点と点が結びつき、体系的な理解へと昇華していったように思います。

メディアを介したコミュニケーションについてヨーロッパの視点から学ぶのが大きな柱であり、必修科目はいずれも伝統的なメディアの歴史をたどりつつ、デジタル化による社会の変化やメディアプラットフォームの影響に特に焦点を当てる構成でした。prosumer や quota, network effect など、複数の科目にリンクする概念も多くあり、重複して学ぶことで深く理解できた面もあったと思います。一つ一つの科目での学びを詳しく書きたいところですが、それはまたいずれ。

とくに手ごたえがあったのは、やはりプライバシーの選択授業でした。プライバシーといえば個人情報保護、個人情報保護といえばGDPR、と思っていましたが、授業ではテクノロジーの観点からのプライバシー保護のあり方や、プラットフォームがユーザーを取り込んでいく仕組み、10代の若者のプライバシー認識など、さまざまな観点からの文献を読み、新たな気づきや学びが多くありました。20代の学生たちとの授業中の議論も刺激的で(といっても私はほぼ聞いてるだけでしたが…)google検索やWhatsApp、Messengerの利用を避けてプライバシーを重視した代替サービスを使っている人が結構いました。

日本で個人情報保護委員会を取材していたし、法律や制度の議論が大事なのはもちろんなのですが、メディアプラットフォームの台頭が与える個々人への影響をもっと具体的に語れるようになりたいと漠然と思っていたので、関心にぴったり合致する授業を受けられたことは喜びでした。

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ちなみに勉強ツールは、すべてパソコンとiPadで完結しました。授業のスライドや文献の配布、課題の提出などはCanvasというアプリケーション内で行われました。ノートテイクでは、iPad(無印)とペンシルが大活躍。Nortabilityというアプリを入れて、録音しながらノートをとっていました。

荷物が増えない、確認したいところに効率よくたどり着けるなど、とにかく便利。プリントとノートがメインだった10数年前の大学時代からは隔世の感がありました。ただ一つ悔やまれるのは、こっちへ来る直前に新調したパソコン、SurfaceじゃなくてMacにしとけばよかった。iPhone, iPadとのシームレスな連携のメリットをあなどっていました。

そんなこんなで前期が終わり、これから修論を本格化させます。前期まったく余裕がなかったため進捗が悪く、課題山積、締め切りに間に合うか本当にわかりません。やばい。しかしお尻に火がついている状況はもはや慣れっこ。大学院に入ってここまで学んでこられたことが少しの自信と勇気をくれたので、引き続き頑張ります。

(見出し画像はキャンパス内の様子。そこらじゅうの壁に偉人の言葉が貼られていて、緒方貞子さんを見つけてうれしくなり撮影)

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