おはようございます。 もう9月も折り返したのに暑いです、日本の熱帯化、、嫌だなぁ 講習会に向けて テキストを作り、ノートに投稿する を繰り返しテキストのおさらいと、解説の仕方を模索しています。 今回は左手の奏法「ハジキ」についてです。 どう扱ったらいいもんか…皆さんどのくらいこだわってるんだろう? やっぱりハジキがあると曲が華やいだり引き締まったり寂しさが増したり 撥で出したものとは別の場所から音が発生するって点も面白いですよね 発明した人は天才だと思います。 その分こ
講習会にあたってまずは基礎的なこと「撥の持ち方、振り方」から書き出してみようかと。 とはいえ三味線音楽の ジャンル 流儀 演奏家のこだわり で握り方が違ったりポイントが違ったり、 極論楽曲を弾く上で出したい音色の数だけ、撥の握り方、振り方は存在します。 あくまで「アイデア」「ヒント」として…ということにさせて下さい(笑) 基本はこういった感じです。 考え方として 「三味線を撥で弾く」 ことは、どうにも「撥」に振り回されてしまいます。 ただ、三味線は中国の三
今月から一門のお名取さんに向けて講習会を開かせていただくことになりました。 開講にあたって「普段のお稽古」と何か差別化しなくてはと思い、アンケートの実施とテキストの作成から始めてみました。 自分から能動的に疑問を探してもらうためアンケートを実施し、テキストにより言語化された技術を読んで「出来るようになる理由」を明確にしていきます。 SNSでよく見かけるビジネス何たらみたいなもので、良い指導者の違いは 「三流は教え、一流は気づかせる」 なんて手垢のベタベタについたセリフを
詞章 寄せ返る 神代ながらの浪の音 塵の世遠き調べかな それ渤海の東幾億万里に 際涯(そこひ)も知らぬ谷あるを 名付けて帰墟というとかや 八紘九野の水尽くし 空に溢るる天の河 流れの限り注げども 無増無減と唐土の 聖人がたとへ 今ここに 見る目はるけき大海原 北を望めば渺々と 水や空なる沖つ浪 煙る碧の 蒼茫と 霞むを見れば三つ 五つ 溶けて消えゆく片帆影 それかあらぬか帆影にあらぬ 沖の鴎の むらむらぱっと 立つ水煙 寄せては返る 浪がしら そ
2018年の杵屋宗家派一門会「杵屋会」にて 両宗家による「時雨西行」をご一緒させて頂いた際、Instagramに投稿したあらすじ。 せっかくなのでノートにも 5年も前に書いたので、読み返して修正するかも? 「時雨西行」 元治元年(1864)九月 作詞 河竹其水 作曲 二代目 杵屋勝三郎 仏道に入り歌を読みながら旅する西行法師。 ある晩、雨に降られとある粗末な家を訪ねると そこは遊女の住まう家でした。 西行法師が一夜の宿にと願い出るものの遊女は情け容赦なく申し出を断
歌詞 浮き立つ雲の行方をや 浮き立つ雲の行方をや 風の心に任すらん 此処に消え 彼処に結ぶ水の泡の 浮世に廻る身にこそありけれ 実にや人知れぬ心は重き小夜衣の 恨みん方もなき袖を 片敷きわぶる御夜詰は 君を守護なす両勇士 実にただならぬ多田の御所 武将源の頼光公 御心地例ならず 医祷百計たゆみなく とりどりさまざまの色を尽して 夜昼の界も知らぬよそほひの 心尽しに身を責めて 鬼を欺く武士の 思ひに沈むばかりなり 小夜嵐 身に沁む程に物すごき 宿直の武者も扨こそと
歌詞 妄執の雲晴れやらぬ朧夜の 恋に迷ひしわが心 忍山 口舌の種の恋風が 吹けども傘に雪もつて 積もる思ひは泡雪と 消えて果敢なき恋路とや 思ひ重なる胸の闇 せめて哀れと夕暮に ちらちら雪に濡鷺の しょんぼりと可愛らし 迷ふ心の細流れ ちょろちょろ水の一筋に 怨みの外は白鷺の 水に馴れたる足どりも 濡れて雫と消ゆるもの われは涙に乾く間も 袖干しあへぬ月影に 忍ぶその夜の話を捨てて 縁を結ぶの神さんに 取り上げられし嬉しさも 余る色香の恥かしや 須磨の浦辺で潮汲
初めまして、長唄三味線を弾いております杵屋直光と申します。 自分の所属する長唄宗家派「杵屋会」の年に一度の定期演奏会を機に「長唄」とはどんな音楽なのかをここにしたためていく所存です。 自分なりに調べたものなので間違っていたり「諸説あり」の拙い投稿となりますので遠慮なくご指摘頂ければ幸いです、しれっと修正致します。 1本目の記事ですが、以前お仕事の為に書いた「長唄」というジャンルについての投稿します。 歴史 長唄は歌舞伎舞踊の伴奏音楽として18世紀のはじめに成立した三味線音
【歌詞】 旅の衣は篠懸の 旅の衣は篠懸の 露けき袖やしをるらん 都の外の旅の空 日もはるばると越路の末 思ひやるこそ遙かなれ 東雲早く明け行けば 浅茅色づく有乳山 気比の海 宮居久しき神垣や 松の木の芽山 なほ行く先に見えたるは 杣山人の板取 川瀬の水の浅洲津や 末は三国の湊なる 蘆の篠原波寄せて 靡く嵐の烈しきは 花の安宅に着きにけり 落葉掻くなる里の童の 野辺の遊びも余念なく こりゃたがめづき ちっちゃこもちや桂の葉 ちんがちがちがちんがらこ 走り走り走りついて
菖蒲浴衣 作曲:二代目杵屋 勝三郎 三代目杵屋 正次郎 【歌詞】 五月雨や 傘につけたる小人形 晋子が吟もまのあたり 己が換名を市中の 四方の諸君へ売り弘む 拙き業を身に重き 飾り兜の面影うつす 皐月の鏡曇りなき 梛の二た葉の床しさは 今日の晴着に風薫る 菖蒲浴衣の白襲ね 表は縹紫に 裏むらさきの朱奪ふ 紅もまた重ぬるとかや それは端午の辻が花 五とこ紋のかげひなた 暑さにつくる雲の峯 散らして果は筑波根の 遠山夕ぐれ茂り枝を 脱いで着替の染浴衣 古代模様