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「こんな実践、この学校でしかできないじゃん!」について思うこと。

みなさん、こんにちは。この配信の文字バージョンです。

夏のイベントや学会での気づき

皆さん、この夏はさまざまなイベントや学会に参加されたのではないでしょうか。

私もいくつかのイベントが学会に参加したり、やワークショップで講師を務めたりと、たくさんの学びを得ました。

その中で感じたのは、私自身、実践発表をするとき、ついつい成功例に焦点を当ててしまうことが多いという点です。反省します(笑

しかし、最近はできるだけ失敗例も盛り込んで発表するよう心がけています。

実践発表の再現性と「追試論」の4つの型

他の先生方の実践発表を見ていると、「すごいな」と思うことが多いですね。本当に勉強になります。

一方で「この実践は再現性が低い」と感じることもあります。つい思ってしまうんですよね。

その背景には、その学校や生徒の実態、先生と生徒の関係性があってのものだ、ということが大きく影響していると思います。

特に、その先生の持ち味でしかできないもの、生徒が非常に理解力、表現力がある場合・・・です。

そんな中、最近、ポッドキャストでなんばむっとさんが紹介された野口先生の「追試論」という考え方に共感しました。この「追試論」では、授業を再現・応用する際に4つの型があるとされています。それぞれの型について詳しく説明します。

1. 埋没型

「埋没型」とは、他の先生の授業実践をそのまま真似て行う方法です。元の授業の意図や手法を可能な限り忠実に再現しようとする型で、新しい試みを取り入れる前に、まずは基本をしっかりと学びたいときに適しています。初めて新しい手法を導入する際や、他の先生の成功例をそのまま試してみたいときに有効です。

2. 検証型

「検証型」は、授業の理論や手法を十分に吟味し、仮説を立てた上で実践する方法です。授業の効果や生徒の反応を事前に予測し、どのような結果が得られるかを検証することを目的としています。この型は、授業実践における科学的なアプローチであり、授業後に結果を分析して改善を図るためにも重要です。

3. 修正型

「修正型」とは、元の授業実践を自分なりにアレンジし、改良を加えて実施する方法です。自分の教育理念や生徒の実態に合わせて授業をカスタマイズすることで、より効果的な授業が実現できます。この型は、柔軟に対応する力を養い、自分らしい授業スタイルを確立するのに役立ちます。私自身もこの「修正型」を多く取り入れており、各学校の生徒実態に応じて最適な授業をデザインするよう努めています。

4. 相反型

「相反型」は、元の授業実践とは全く異なるオリジナルの方法を採用する型です。元の授業を批判的に捉え、自分の独自のスタイルを追求することで、新しいアプローチを試みます。全く新しい視点や手法を導入したいとき、または既存の方法に限界を感じたときに、この型が有効です。

マックスの力を出すことの重要性

私はこれまで定時制から国立大学附属校まで、さまざまな生徒実態に対応してきました。

特に国立大附属校では、自分の持てる力をすべて出し切らないと対応できない生徒たちと向き合う必要がありました。

この経験を通じて、何が本当に必要で、何が不要なのかが見えてきたのです。

逆に定時制では、本当に何が必要なのか、授業の本質を捉える必要がありました。

その後の教育現場でも、この「引き算と足し算」のバランスをうまく取ることができたと思います。

生徒実態に合わせた工夫を

どんな学校でも、授業者が工夫を重ねて取り組んでいる授業には、心を打つものがあります

一方で、素晴らしい生徒実態に任せて、授業が生徒任せになっているケースも見受けられます。

私は、あらゆる生徒実態に対応してきたことで、授業を見る目が肥えてきたかな、と自負しているので(笑)、ついついそこを見てしまいます。

視野を広げ、授業の引き出しを増やす

「この実践はこの学校でしかできない」という考え方は、視野が狭くなりがちです。

私は、さまざまな生徒実態に対応できるように、自分の授業の引き出しを増やし、国語の楽しさをより多くの生徒に伝えられるよう努めたい・・・と思っています。


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