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森岡書店と彗星菓子手製所と 人のつながりと

東京・新富町。
歌舞伎座や銀座からほど近い場所ながら、週末はとても静かな地域です。

ここに 森岡書店 というお店があります。
書店、といっても、いわゆる”書店”ではなく、ほぼ週替わりで、1冊の本を紹介・販売するスタイル。
訪れる度に、そのとき扱う本の世界観にがらっとお店の印象が変わる
のが、森岡書店の特長と言えるでしょう。
書店と名乗っている、ギャラリーのようなお店、とわたしは捉えています。

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初訪問は ミナペルホネン・皆川さんの『Letters』

お店がスタートした当初は、今のスタイルではなく、日本橋・茅場町の方にある古書店でした。その頃から存在を知っていたものの、出かけてみよう!となるまで、なかなか腰が重く、はや数年・・・。

で、先日のこと。
ミナペルホネン・皆川さんの詩集『Letters』を販売するタイミングがあると知り、これは行かねば!!! とお店へ初めて伺ったのでした。


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最終日だった日曜の午後に、新富町へ。

地下鉄の駅から歩いて少し。ここに違いない!とすぐに分かりました。
わたし好みの素敵なデザインの建物が目に飛び込んできたからです。

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中に入ると、穏やかな笑顔で、店主の森岡さんが迎えてくださいました。
味わいのある白で塗られた壁一面に、皆川さんのLettersが並んでいます。

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あ!黒電話! そしてこの家具! お金を受け渡しするトレイも!
どれも素敵です。

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この後、ジリリリリリリーン!と元気よく黒電話が鳴ってびっくり。
オブジェではなく、現役だったとは!!!

黒電話を使っていた祖母の家の記憶がよみがえり、懐かしい気持ちに。音が聴けてラッキーでした。



帰り際、森岡さんに、ちょっと歩いたところにある松屋銀座での展覧会をお薦めされてハシゴ。こちらも会期終了間近で、観られてラッキーでした。

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その上、そうだ!と思い出して、近所の無印のギャラリーへハシゴ。
こちらも会期の最終日で、観られてラッキー!と、いいこと続きの日曜午後でした。

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彗星菓子手製所の和菓子に会いに行く


それから少し後。
森岡書店のInstagramで、とても美しい画像にハッとしました。
水晶のような・・・ イラスト?写真?

彗星菓子手製所 という、美しいお名前の和菓子の作り手さんが、初めての書籍を出されたとのこと。これは!観たい!!!

ということで、11月の週末。出かけてまいりました。

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これまたラッキーなことに!!!
主宰されているご本人と、美しいお菓子の写真を撮り続けているカメラマン・大沼ショージさん、編集の方、そして森岡さんといらっしゃいました。

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お客様の波がふと途切れたタイミング。
主宰の方が勧めてくださって、自然光で、琥珀糖のインスタレーションをじっと見つめてみました。

すりガラスのような、溶けかけの氷のような、柔らかく発光しているような美しさ・・・。

たまたま居合わせた、雑誌編集のお仕事をされている方とともに、思わず感嘆の声を上げて、笑顔に。
とても貴重な瞬間を味わうことができました。

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こだわりがたっぷりつまっていることが伝わってくる、美しい美しい書籍。主宰の方と、カメラマン・大沼さんが素敵にサインを入れてくださいました。嬉しい・・・!!!

しかも、これまたラッキーなことに、色校正紙を使った特製箱にたくさん収まった琥珀糖『中谷宇吉郎とウィリアム・ベントレーへのオマージュ』も、手にすることができました。

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彗星菓子手製所さんに初遭遇できただけではなく、幻のお菓子まで手にすることができたなんて・・・本当に運が良かったです。

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そして、凛とした佇まいの、真っ黒な菓子切も、ひとつ購入しました。

予定があって一度お店を出たものの、手に取った時の感覚が忘れられなくて、数時間後に再訪。こちらも購入できて良かったです。

絶対に使いやすい、という直感は正しかった!
木工作家の方と、なんと1年も研究を重ねた末に生まれた、と後で書籍で読んで驚き、納得。大切に使っています。


再訪したとき、主宰の方、カメラマン・大沼さんや編集の方に、「あら~お帰りなさい」なんて、笑顔で迎えていただきました。

その瞬間、とてもあたたかく、嬉しい気持ちになりました。

この日が初対面で、僅かな時間、僅かな会話しか交わしていないのに、この森岡書店という場のおかげで、柔らかくあたたかい出会い・つながりができたこと。

がらっと世の中が変わってしまった2020年でも、つながるご縁はつながるんだなぁ、と思った瞬間でもありました。

また、先日の『Letters』で訪れてから、あまり日が経っていなかったこともあって、がらっと雰囲気が変わったお店の様子に、さらにぐっと心を掴まれてしまいました。
このお店のアイデアを思い付いた森岡さん、すごいです・・・。

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で、今日、こうして記事を書くにあたってちょっと調べてみたところ、新富町でのお店がスタートするまでのエピソードを見つけました。
ブランディングとアートディレクションに関わるTakramのページです。


そっかそっか、そうだったのか。
わたしの印象は、間違っていなかったんですね。

できるだけ定期的に訪れたいと思う、東京のお気に入りの場所が、また一つ増えたのでした。

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