クリニカルイナーシャによる副作用出現リスク等を鑑み転院先への情報提供としてトレーシングレポートを活用した症例2

約7~8年となりに通院されているご高齢の脳梗塞既往患者さん。
脳梗塞によるのか、認知機能低下も進展している。ご家族(娘さん)も心配されており、遠方にお住まいだが、年に数回ご家族がいっしょに過ごす時間を作って下さっている。患者さんはご夫婦お二人での生活だが、お二人とも認知機能低下がこのところ進展している。
先日、ご家族が受診に付き添われ、来局。その際にご家族のお気持ちを詳しく伺った。以前、患者さんが脳梗塞発症された際、受診された病院に同行されているので、その時の対応とあまりにも違って不安になった様子。
娘さんからすると、大事な親が雑に扱われていてこのままこのクリニックに通院させる事が心配になったのだ。
今後在宅も考えるべきである事、採血もこの数年以上年に1回もしてるかどうかであまりにも少ない事、検尿もなく診察時の血圧も不明・・・ 
わからない事だらけのままずっとDO処方である旨を娘さんに正直にお伝えした。
しかも約1ヶ月ほど前、ご自宅で転倒し臀部を打った?自力で整形受診されたところ、圧迫骨折と診断。5年ほど前に同整形受診された際に、骨粗鬆症と診断されアルファロール服用継続されてたのだが・・・
脳梗塞発症後、通院が面倒になり勝手にやめてしまわれていた。
なので~ 
少しでもご自宅からお近くで、今後通院が困難になった場合の訪問診療も鑑みて、転院先を決め、ご家族に了承を得て、トレーシングレポートで転院先に情報提供する事にした。
ご本人には、娘さんが説得するとお約束していただいた。
まずは、採血をしてもらわない事には、投与量がこのままで良いのかどうかがわからない。しかも整形で処方されたNSAIDsやエディロール0.75μgについても、整形外科あてに情報提供する予定だが、直近のeGFRや血中Ca濃度を確認してからだと、NSAIDs中止やエディロール減量についても提案しやすい。やはり説得力が違う。
って事で~

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