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わからないから書く、考えるために書く

SNSでの発信、仕事でのメールのやりとり、
日常生活は「書く」機会にあふれています。

でも、文章の書き方を学んだことがある人は
少ないのではないでしょうか。

こう言っている私も、書く仕事を目指しているわりに、
恥ずかしながら、文章術に関する本を
読んだことがありませんでした。

今回、Marbleスクールの推薦図書として
手に取ったのが
「20歳の自分に受けさせたい文章講義」です。

生活の中で文章を書く機会がある人、
書くことに苦手意識を持っている人が
最初に読むべき本だと感じました。


本編に入る前のガイダンスで、文章を書く上での大前提となる考え方が示されています。

頭のなかの「ぐるぐる」を、
伝わる言葉に”翻訳”したものが文章

理解したから書くのではなく、
解を得るために書く

考えるために書く

確かに、書けないときはいつだって
頭のなかで、言葉にならない
なんだかわからないものが渦巻いています。

それをどう扱ったらいいのかわからなくて
毎回逃げ出したくなります。
(逃げ出したこともありました)

この頭のなかの「ぐるぐる」の翻訳の練習には、
自分が見聞きしたことを人に話すのがよいそうです!
書かなくても、書くための練習ができるのはいいですよね。

そういえば、自分が観たドラマの面白さを
夫に伝えようとしたときに
全然わかってもらえなくて
イライラしたことがありました。

あれは私が悪かったんだと今頃、反省…

これからは、夫を練習台に
自分が観た作品の話をしてみることにします。

本編では、漢字とひらがなのバランス、
句読点の打ち方から
文章の構成、読者への意識や配慮まで、
ひとつひとつ丁寧に解説されています。

中でも印象的だったのは、
文章の書き方を映像づくりになぞらえて
説明されていることです。

文章の構成は、カメラワーク(遠景と近景)をイメージして考える。

構成の絵コンテをつくる。

推敲は映画の編集(切る、貼る、足す)である。

そして、下手な文章術より映画に学べ
とさえ書かれています!

動画編集は好きだけど、
文章を書くことには苦手意識を持っている方も
映像と同じように考えればよいとわかれば、
もっと書いてみようと思えそうですね。

なぜ、文章の書き方の本に、
こんなに映像の話が出てくるのか。

著者の古賀史健さんは、
かつて映画監督を目指していたのでした。
そのときの経験が、今の仕事にも役立っているそうです。

実は私も、20代の頃、映像畑にいました。
テレビ番組の制作に携わっていたのです。
しかし、3年ほどやってみて、映像で何かを伝えることは、自分には向いていないと諦めました。

今度は、書く仕事に挑戦しようとしているわけですが、そのスタート地点で
「文章を書くときに映像で考えよう」と言われ、頭をガツンと殴られた気分です。

講義の終わりに、古賀さんがこんなことを書かれています。

自らの才能を問う人は、”諦めの材料”を探しているだけだ

いい文章とは読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章

番組制作の仕事を目指していたときの目標
観た人が何か行動を起こすきっかけとなるような番組をつくりたい」

映像と文章、表現方法は変わっても、この思いは変わっていません。
今度こそ、諦めの材料を探すことなく、前に進み続けたい。

書く技術だけでなく、書くことに向かう心の持ちようまでが詰まった1冊。

いつも手元に置いて、どう書けばいよいか悩んだときには、読み返したいです。

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