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お金と幸せの関係性!「健康」「人間関係」に次いで幸福に影響するのはお金ではなく〇〇だった話

「お金」と「幸せ」は私たちの私たちの日常生活で、非常に重要です。
もしかすると、お金があれば幸せになれると信じている人もいるかも知れませんし、今現在、お金が足りないように感じているせいで、「自分は幸せではない」と思っている人もいるかも知れません。
知っているようで知らない「お金」と「幸せ」の関係性について、心理学の先行研究をもとに考えてみました。


収入で幸福度が上がるのは年収800万円まで?

収入が増えると幸福度が上がる。確かにこれは事実ともいえるのですが、
収入が上がれば上がるほど幸せになるというのは、どうやら幻想のようです。
年収と幸福度の関係は地域や個人の状況によって異なるものの、ある一定の年収を超えると幸福度の増加が頭打ちになる傾向が報告されています。

皆さんも聞いたことがあると思うのですが、有名な研究では、年収800万円あたりが幸福度の一つの限界点とされていて、年収がそれ以上になると幸福度があまり変わらない、または低下すると報告されています。

ただし、この800万円という限界点には意義をとなえる説もありまして、
年収が1,300万円を超えると幸福度がさらに増強されるという研究もあります。

日本での調査では(NTTドコモ提供の調査結果)、年収が2,000万円から3,000万円の間で幸福度がピークに達し、それ以上の収入では幸福度が低下する傾向があることが示されていました。

この他にもいろいろな領域の論文にあたってみたのですが、年収と幸福度の関係は、一定の収入レベルまでは比例して増加するものの、その後は必ずしも増加し続けるわけではない、というのは共通点のようです。
収入が増えても必ずしも幸せになれるわけではないことは、皆さんも肌感覚でわかっていることだと思います。
では、どのようにすれば幸福度は上がるのでしょうか。

他人のためにお金を遣うことがもたらす幸福感

幸福度をあげるヒントとして「人のためにお金を遣う」というのがあります。
有名な研究としては、2008年に北米で行われたものがあります。
この実験では、実験参加者を2つのグループにわけ、1つのグループでは渡したお金を自分のために遣うように言われます。もう1つのグループでは渡したお金をプレゼントか寄付に遣うように言われます。

実験の前後に幸福度を測ったのですが、人のためにお金を遣ったグループの方が幸福度が高まったことが確認されています。

この研究では、予測実験も行われています。
実験に参加した人とは別の人に、「自分のためにお金を遣う人」と「人のためにお金を遣う人」ではどちらが幸福度が高くなるかを予測してもらったのです。
この予測実験では多くの人が「自分のために遣ったほうが幸せになれる」と予測しています。

筆者も「自分へのご褒美」と称し、幸福度を上げることを期待して買い物をしたりします。
自分のためにお金を遣ったときよりも、人のためにお金を遣った方が幸福度が長持ちするという研究もあったな……と思い出したのですが、普段はついつい幸せになるために買い物をしてしまうことがあるわけです。
なかなか難しいですね(汗)

人のためにお金を遣って幸せになれるのは裕福な人だけだろう、と思う人もいるでしょうか。

先ほど紹介した研究は北米の比較的裕福な地域で行われたため、その後経済的に恵まれない地域でも、同様の実験が行われています。
その結果、経済的に恵まれない人たちでも同じように、他の人にお金を遣ったグループの方が幸福度があがったことが報告されています。

所得、学歴、健康、人間関係、自己決定 幸福度にもっとも影響するのは?

さて、ここでクイズです。
日本人2万人を対象にした調査によると、幸福感に影響を与える要因は
「健康」「人間関係」が上位でした。では「健康」と「人間関係」の次に影響が大きい要因は次のうちどれでしょうか。
①所得
②学歴
③自己決定

正解は3番の自己決定でした。
自己決定とは、人生における重要な決断を自分で行うことを指します。


国連の世界幸福度報告書から見た日本社会

これも有名な話なので、皆さんも聞いたことがあると思うのですが。世界幸福度報告書の国際ランキングを見ると、日本は幸福度がそれほど高くない国だということがわかります。
また報告書では「人生の選択の自由」に関する数値が、他の国と比べて低くなっています。

このような日本社会において、幸福度に影響するのが、「収入」よりも「自己決定」だったという研究結果は、とても興味深いと思いました。
個人的には「自己決定」のためには、ある程度のお金(特に自分で稼ぐ力)が必要だとも思います。
シングルマザーとして子どもを育てた経験からいうと、これ、本当に大事。お金を理由に、様々な決断を諦めなければならないシーンは、意外と人生の中で多いように感じるのですが、皆さんはどうでしょうか。

いずれにしても、お金そのものよりも、お金の遣い方や自分の決断が
幸福感に重要な役割を果たすと言えそうです。

終わりに

お金と幸福の関係性について、皆さんはどのように感じましたか?
この記事をきっかけに「人のためにお金を遣ってみよう」とか「自分の選択を大切にしよう」と思う機会が増えたら幸いです。その結果、皆さんの日常が、今よりも少し幸せになったのなら、これほど嬉しいことはありません。

2024年に、ちょっと思い直すところがありまして。
今年は「コミュニケーション」「心理学」「大人の学び直し」をテーマに、
読んでくださる方の毎日を今より少しよくするような情報を発信していこうと決めました。
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それでは、また次回、お会いできるのを楽しみに。

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なおみ先生@応用心理士
ワインとコーヒーを燃料にして生きています。「一杯ご馳走してあげてもいいかな」と思ってくれたら嬉しい。大好きなコーヒー豆もしくはワインを購入する費用に充てて、また元気に執筆します♡

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