オトコはオンナにご馳走するべきか問題
先日、取引先のイケメンと食事に行った。働いていると、別に何というわけではないけれど、男性と2人で食事をするという場面もあるよね。ランチ時に偶然一緒になるとか、話しの流れで約束してしまうとか。
そんなとき、みんなは会計どうしてる?
友達同士であれば、割り勘もしくは「今回は私が」「じゃあ次は私が」という感じでOKなのに、男女2人だと男性がご馳走してくれる率が高くない?もしくは男性が多めに出すとか。嬉しいけど、彼氏でもない人に申し訳ないと思うし、居心地もよくない。
そもそも、なんで男性がご馳走する雰囲気になるんだっけ?
男性が女性にご馳走、もしくは男性が多めに払うという慣習の背景について考えてみることにした。今回、私が着目したのは以下の5点である。
①男女の収入差
②男女の可処分所得差
③男女の貧困率の差
④設備投資の差
⑤感情労働の差
①まずは、男女の収入格差について
2017年賃金構造基本統計調査によると、残業や手当てなどを除いた給与額は男性平均33.76万円に対し女性は24.75万円。男女間の賃金格差は、男性100:女性73.3だった。
100:73.3という格差って、大きいの?小さいの?イマイチわかりにくいので他の国と比較してみた。
イギリス 100:85.9
アメリカ 100:81.9
ドイツ 100:84.3
フランス 100:84.2
スウェーデン 100:88.0
日本 100:73.3
OECD加盟国の中で、日本がどのくらいの位置にいるのか調べたら、日本はワースト3でした(^^;
②可処分所得について
では可処分所得、つまり実際に使えるお金ではどうだろう。既婚者の男性がもらうお小遣いって、おそらくそう多くはないよね?
新生銀行グループによる調査(2018)によれば、男性会社員のお小遣いの平均額は39,836円。これに対し、女性社員は34,854円。その差は約5000円だった。ちなみに未婚の男性は5万円近く使えるようで、そこから結婚によってお小遣いが減り(子供の教育費かかるもんね)、年齢と共に少しずつ上がっていくという構造。これに対し、女性のお小遣いはほぼ横ばい。
でも親と同居でお給料が全部お小遣いという女性もいるしなぁ。あ、そんな男性もいるか。いずれにしても、男性のほうがお小遣いも多い印象である。
③貧困率の差について
残念だけれど、女性の方が貧困のリスクは高い。非正規雇用の割合も高いし、結婚や育児などでのキャリアの中断などが原因だろう。特にヤバいのが母子家庭。そして高齢の単身女性もグっと貧困率が上がる。厚労省の国民生活基礎調査を見ていたら涙が出てきたぞ。
④設備投資の差
女性は美容室やら、化粧品やら、洋服やらと設備投資が必要。男性も必要だという意見もあるが、女性のそれは男性より大変。歳をとるとさらに大変。
美人風にするのは無理だとしても、周囲に不快感を与えないような身だしなみを整えるのは設備投資としてマスト。3週間ごとに白髪染めたり、うっかりすると粉をふくカサカサ肌にクリーム塗り込んだり。必要な工程は年々増える一方である。
男性と食事ともなれば、背中についた肉の段々を隠せる服、下っ腹をカバーできるスカートなども必要だ。普段のガシガシ歩ける靴の他、デート用のピンヒールも要る。一応、一緒に歩いて恥ずかしくないセンを目指そうとすると、いろいろお金がかかるのだ。老朽化した建物の維持が大変なのを想像して、ねぎらってほしい。
⑤感情労働の差
身体や脳だけでなく、仕事をするうえで感情管理が強く求められる職種ってあるよね。例えば、看護師さんは「温かさ」や「共感」を体現することを求められるといったように。
働くオンナは職種に関わらず「愛嬌がいい」「気配り」などを求められるので常日頃から大変だ。オトコだってもちろん大変だと思うが、オンナはアクセルとブレーキを両方踏みながら走らされるからタチが悪い。無理がたたって、あちこちギーギーいっちゃってるキャリアウーマンって少なくないよね。「ここは戦場だよ!?」というシーンで、特攻隊長とナイチンゲールの二役を求めるようなことが、無理ゲーだということに、そろそろ男性陣にも気づいてほしい。
感情労働の疲れがたまりまくっている私たち働くオンナも、男女の食事というシーンでは「ニコニコした聞き役」を演じることになる。「えー、そうなんですか!」「すごーい」「やだ、面白い」的な。なかなかの修行である。男性はそんなに合わせなくてもいいと思うかも知れないが、こちとら子供の頃から「人と仲良くするのが大事」「気持ちに寄り添うのが大事」って教えられて育ってんじゃ!社会に出てからは「男をたてろ」的な雰囲気に染まりきってるんじゃ!!もう、自動運転的にやっちゃうよね。
男性は「ご馳走してあげている」というつもりかもしれませんが、だったら女性は「もてなしてあげている」と言いたいわ。
というわけで。
オトコはオンナにご馳走するべきか問題は「ご馳走したいときはご馳走してあげて」というのを模範解答Aとしたい。多く出してあげるという男の心意気は心から称賛することに決めた。ありがとう。
とはいえご馳走される側の心理的負債感についても忘れないでほしい。心に借金背負わせてばかりでも、いい関係は続きにくい。二軒目に行くなら、そこは女性にご馳走してもらうなどバランスをとるのがよいかと。
参考になれば★
ワインとコーヒーを燃料にして生きています。「一杯ご馳走してあげてもいいかな」と思ってくれたら嬉しい。大好きなコーヒー豆もしくはワインを購入する費用に充てて、また元気に執筆します♡