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15日目:応用行動分析(ABA)を活用した子育て

夫も私も特別支援に携わる仕事をしてきたこともあり、我が子の子育てにも、自分たちが学んできたことがかなり役に立っていると思います。

その中でも特に汎用性が高く、日常生活のさまざまな場面で活用できるのが『応用行動分析(ABA)』です。

今日は我が家の実践例を挙げながら、ABAについて書いてみようと思います。

『応用行動分析(ABA)』とは

図もあり、わかりやすく書かれているサイトを見つけたので引用させていただく。(リンクフリーとのこと。ありがたや〜!)

【リンク先:スタジオそら】

めちゃくちゃ平たくいうと、『人の行動に注目し、どんな場面でどんなことが起きて、その結果どのようになったのか?を考えることで、その反応がなぜ起きたのかを知ることができるということ。そしてそれがわかると、どのようにすると適切な行動が増えるか、どのようにするとよくない行動が減るかを考えることができる』という感じ。(伝わったかしら?説明難しい。。)

では、我が家の実践例をいくつかご紹介。

実践例その①:生活習慣が定着しにくい→チェックリストでもれを防ぎつつ意識づけを図る!

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次男が小学校に入学したころ、学校から帰宅後のルーティーンがなかなか定着しにくく、毎日一つ一つの行動をこちらから指示しなければならない状態だった。

言えばやるんです!できるんです!なのに自分からはやれない。。

次男は「ただいま〜」と玄関に入るや否や、その辺にかばんを投げ上着を脱ぎ捨て、子供部屋に行きレゴで遊び始めてしまうことや、宿題をしようと思って机に向かったのについ目の前にあった本を読んでしまったり、テレビが気になって手が止まったりというようなことが日常茶飯事。

でもよく観察すると、ただ単純に思いついたことや目に入ったことに注意が向いているだけで、見通しを持って行動する必要性も感じてないし、帰宅後にすべき行動そのものもあまりわかっていない様子。

ということで、すべきことが一目でわかるようチェックリストを作成し、手順を視覚化してみた。

また、やり終えた項目に磁石をつける動きも入れ、どこまでできたか、次に何をすべきかに自分で気づけるよう工夫。

それプラス、この手順通りに動きやすいよう動線を考えた物の配置に変更する、宿題に集中しやすいよう気になるものを目の前に置かない、などの環境整備も行なった。

具体的には、ランドセル置き場のすぐ隣に帽子と上着をかけるハンガーラックを設置し、一連の動きが滑らかにできるようにしたり、勉強机には学校に関係のあるもの以外は置かず気が散らないようにしたり、といった感じ。

その結果、定着するまでにある程度時間はかかったが、下校後の動きがスムーズにできるようにはなったかなと。あとは、私がいちいち口うるさく言わなくて済むことでお互いのストレスが減ったし、子どももたくさん褒められるのでやる気が出て、明らかに良い行動が強化されたと思う。

実践例その②〜片付けられない→ポイントカードで意欲を引き出す!

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次男はとにかくいろんなものを次々出して遊ぶ子で、使ったものを出しっぱなしにしてしまうため、彼の周りはいつも散らかっている。(今もww)

タイミングを見計らって私が「一緒に片付けしよう!」と誘い、いざやり始めるも、目に入ったものでまたすぐに遊び始めてしまうため、片付けが完了しない、ということの繰り返し。

私の性格的にも一般的な価値観からも、本当は"出したらしまう""使ったものを片付けてから次のものを出す"をして欲しいのだが、この子には合わないやり方だなと感じ、方向転換!

日中遊んでいる間は無理して片付けないこととし(だってどんどん遊ぶし、やるだけ無駄だしww)、夜寝る前に片付け時間を設けて、寝る前に綺麗になってればOKという決まりにした。

片付けは本人にとってあまり楽しくなく、できればやりたくないことなので、少しでも意欲が出るようにということで、ポイントカード制度を採用。

これは『トークンエコノミーシステム』とか『トークンエコノミー法』などと呼ばれるもので、トークンを使用したご褒美システムのこと。良い行動をしたらトークンをもらうことができ、トークンを集めると自分の欲しいものと交換することができる。

で、このトークンというのは、本人にとって価値のある(これが大事!)強化子と交換できる代理物のことで、たとえば,シールや花丸など。これらが決められた数たまると、お母さんに褒めてもらったりお菓子を買ってもらえたりという、本人にとって価値のあるご褒美がもらえるという仕組み。

今回の例でいうと

・片付けをしたらシールが貼れる→ ちょっと楽しい♪
・頑張ったらご褒美がもらえる→ 自分にメリットがある!やる気が出る!

という流れになる。

片付けるという意識を持ってもらうことと、片付け方を覚えてもらうこと、できれば習慣化してくれることを願って実施したが、結果としては、意識づけとやり方を覚えるはクリア、習慣化はまだまだ難しい、といった様子。

まぁ家事にも得意不得意があるので、そこはほどほどに。いずれ大人になって、本人が必要と感じたらやるだろうし、どうやっても無理なら、しっかり稼いで家事代行でも雇えばいいのよ!(極論)

今は中学生になっているが、溜まったポイントをゲーム時間と交換できるシステムとして現在進行形で活用中。(チェック用紙もポイントの換算の仕方も、小学生の時より進化?複雑化?してるけど)

他にも日常的にABAを取り入れた(それだけではもちろんなく、さまざまな知識や経験を活かした)かかわりをしていると思うが、画像付きでパッと説明できるのはこの2つかなぁ。

職場でも使えるABA

ちなみにこの応用行動分析(ABA)は、子育てだけでなく職場や友人関係などあらゆる場面で活用可能。

たとえば、ちょっと忘れっぽい上司がいて、頼んでおいたことを忘れられたり、渡したものをなくされたりした経験がある場合。

その人の行動に注目すると、どうやらメモを取ることが苦手らしいとか、机の上がぐちゃぐちゃでものの管理が苦手なんだなとわかることがある。

であるならば、口頭で伝えるだけでなくメモにして渡すとか、「先程の件ですが」と追加連絡のていで確認メールを送る、書類に付箋をつけたり目立つファイルに入れて渡す、などの対策を取るとミスが防げたりする。

そして相手が良い行動を取ってくれたときには、しっかりと感謝の気持ちを伝え、うまく連携が取れたことを共有しておくと、お互いにこの良い行動パターンが強化されるというわけ。

あとは、たとえば同僚がグチっぽくて困るな…なんて時も、好ましくない行動はスルー(もしくは薄い反応を返す)し、みんなにとって良い話題を振ってくれた時にわかりやすく反応を返す、というのを繰り返すと、次第にグチを言いにくることよりも楽しい話をしにくることが増えていく。

まとめ

残念ながら私は、学者タイプではなく"感覚が全て"というタイプなので、自分が見聞きした情報がなかなか知識として残りにくい。(このあいだ書いたこっち↓の記事ともつかながってるけど、記憶力とも関係してると思う)

とはいえ、得た知識と自分の経験とが結びつくと、あぁこういうことね!とノウハウとして手に入れる(というか身につける?)ことができるようで、これまで自分が学んできたことはひとつも無駄じゃないなと感じている。(たしか、茂木健一郎さんもそんなこと言ってたな。エピソード記憶の話かな?)

ということで、今回は『応用行動分析』をテーマに、あらためて書籍を引っ張り出して調べたり考えたりしながら記事を書いてみました。

「いわゆる『褒めて伸ばす』子育てって、実際よくわからないし、そんなに簡単じゃないよね⁈」と感じてる世のお母さんは多いのではないでしょうか。

それでもきっと、そうありたいと願って、日々子育てに奮闘していることと思います。

この記事を読んで、「こういう見方・考え方ならできそうかな」とか「ちょっと試しにやってみるかな」なんて思ってくれる方がいたら、とっても嬉しいです♪(そもそもほとんど読まれていないけどww)