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嬉しい知らせに。

長野県にナガブロというSNSがあって、2011年の1月からブログを
書き始めた。
ときどき昔のブログを読み返す時がある。
我ながら見事に、酒のネタばかり書いているのだった。馴染みの
飲み屋に蕎麦屋でのひとときや、我が家に友だちを招いての宴や、
日本酒のイベントにいそいそ出かけたことや、不覚にも、
酔って転んでけがをしたことをつらつら書いている。
2011年3月のブログを読むと、当時の切ない気持ちを思い出す。
東北の酒蔵がたに思いを寄せる台詞を書いていて、よくぞまあ、
でかい災害から復活したものと、お蔵さんのご苦労に思いが
馳せるのだった。
酔っ払っている反面、心静かに暮らしたいとか、欲を持たずに
簡素に暮らしたいとか、殊勝なことも述べている。
ところが、いまだに邪念だらけの毎日で、つくづく進歩のない
まま歳だけ重ねてしまっている。
かつて親しくしていた知人とのひとときを読み返していると、
仲たがいをしたり、こちらの不始末で会えなくなったり、
なんとなく疎遠になったり、すっかり縁の切れたかたが何人も
いる。人の縁は水物と、この歳になればよくよくわかっているから、
求めず追わず淡々と。それで良いと思っている。
仕事を終えた夕方、スマホにラインが届いていた。
送り主は、以前お世話になった洋裁屋の、アトリエ・ヒカオさんの
ご主人だった。昨年ちょっとした縁が出来て、この春、洋服を
仕立てていただいたのだった。
着ていく先々で、おしゃれですねと褒めていただき、好い買い物を
したと感謝をしている。そんな経緯を以前ブログに書かせて頂いた。
ラインを覗いてみたところ、
先日、素敵なご夫婦が訪ねてきて、奥様が洋服のリメイクを
オーダーしてくれたという。話をうかがったら、こちらのブログを
読んで、わざわざ足を運んでくれたとのことだった。
ブログを読んでくださっているかたの中には、お会いしたことがない
かたもいる。
顔も知らない、そんなかたのお役に立てたと知って、なんとも
嬉しくなってしまった。
酔っ払いの愚文を記憶に留めてくださって、しみじみありがたい
ことだった。

温かき文が届くや夏夕べ。







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