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懐かしいかたにお会いして。

二十年前に、Nという長野県のSNSに参加していた。
ブログを書きはじめるきっかけになったSNSだった。
観てくださったかたからコメントを頂いたり、
他のかたの記事にコメントを送ったりと交流が出来た。
ネットのやり取りだけでなく、実際にお会いして
宴の席を御一緒させてもらったかたがたもいた。
何年かして、そのNは消滅してしまったものの、
今でも縁が続いているかたが何人かいる。住んでいる
地域がまちまちだから、なかなか会うことが叶わない
けれど、また一献交わしたいものと、ときどきお顔を
思い出している。
現在は同じく長野のナガブロと、フェイスブックに
同じブログを載せるようになった。
フェイスブックを覗いていると、ときどき知り合い
のページに出くわすことがある。
コロナ禍さなかの三年前、いつものように覗いて
いたら、懐かしい名前を見つけた。
Nで知り合って、ランチや酒の席を何度かご一緒して
いただいたかただった。
早速メッセージを送ったら、返事が返ってきた。
故郷の福島に戻って、御両親と暮らしているという。
現在、宙を奏でる点描曼荼羅画というものを描いたり
教えたりして暮らしているというのだった。
以来、フェイスブックで作品を拝見するようになり、
よくもまあ、こんなに細かくてきれいな絵が描ける
ものと感心をしていた。
そのかたが11月の下旬、縁のある長野市で個展を
開いた。個展初日の夕方、会場のギャラリーの扉を
開ければ、懐かしい笑顔が出迎えてくれた。大中小、
室内に飾られた作品を観ていくと、どれも点と線の
織りなす描写が美しい。
作品は、何色ものボールペンとコンパスと定規を
使って描きあげていくという。
予め図案を考えることはなく、その時の直感で描き
進めていくという。無心の集中力で仕上げた作品は、
胸の内に染み入ってくるような、懐かしさを感じ
させてくれたのだった。
神聖幾何学模様という、古代から世界のあちこちで
発見された模様を描いた作品も有って、このたび
ひとつ買わせていただいた。
仕事場に置いて、毎日眺めていると気持ちが
落ち着いてくるから、身の回りの空気を浄化
してくれる模様とうかがえた。
久しぶりにお会いできて楽しかった。
福島詣での折りには、
旨い杯を交わしたいのだった。

冬の夕何年ぶりの友に会い。




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