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鎌倉の蕎麦屋で。

新蕎麦を打ち始めます。
鎌倉で蕎麦屋を営む友だちからメールが来た。
さっそく鎌倉詣での予定を立てたのだった。
あいにくの雨降りの中、
大船駅で、お誘いした淑女二人と落ち合って、
湘南モノレールに乗って、湘南深沢駅で降りる。
川沿いの道をしばらく歩いて行くと、友だち夫婦の
蕎麦屋、そばcafe.tamazeeにたどり着く。
蕎麦粉は長野戸隠産、野菜も無農薬の長野産。
白菜の浅漬けや牛肉のしぐれ煮や天ぷらで、
長野の白ワインを酌み交わす。
米粉で揚げた天ぷらは、食感がさくさくと軽く、
油にすぐに胃腸がやられる身でも、すいすいいける。
こちらはいつものペースでワインから日本酒に
切り替えて、淑女二人をお相手に、ゆるゆると
酔ったのだった。
蕎麦は粗挽きと細打ちの二種類で、それぞれ
喉越しが好く、新蕎麦の風味を味わった。
趣きの有る古民家の室内で、旨い酒と肴と蕎麦の
ひととき。
鎌倉詣で、毎年の恒例にしたいことだった。
同行してくれた二人は長野市立柳町中学校の
ひとつ上の先輩で、
蕎麦屋の友だち夫婦も同じ中学校の後輩で、帰り際、
懐かしい校歌の合唱となったのだった。
店を出ると雨も上がっている。
美味しくて温かなひとときを御一緒してもらい、
またの再会を期して、二人と鎌倉駅で別れた。
江ノ電に乗って腰越駅で降りて、江の島まで
散歩して、今宵の宿、トロールゲストハウスに
おじゃました。
宿のご主人は、漁師もしていて、毎朝シラス漁に
出かけている。酒のつまみに美味しいシラスを出して
いただいた。
翌朝、海岸まで散歩に出たら、海風がつよい。
砂浜の砂がばしばし飛んできて目を開けていられない。
激しい波に、早朝からたくさんのサーファーが挑んでいた。
海岸を離れて、国道を歩いて行くと、高台に小動神社が
在った。小動と書いてこゆるぎと読む。源頼朝に仕えて
いた佐々木盛綱が創設した神社で、海への見晴らしが好く、
昔は見張り台として、海からの敵の攻撃を防いでいた。
神社を出て腰越の町なかを歩いていると、しらす丼の
食堂や、しらすを売っている店が多い。どこも年季の
入った店構えで、昭和の雰囲気を醸し出している。
古い町なみが好きな身は、落ち着きと懐かしさを
感じたから、またゆっくり散策したいことだった。
鎌倉から長野へ戻った翌朝、寒さで目が覚めた。
窓から駐車場を覗いたら、うっすら雪が積もっている。
この冬の初雪だった。
その日仕事をしていたら、夕方になって寒気がしてきた。
昨日の強烈な海風と今朝の寒気にさらされて、
どうやら風邪をひいたらしい。
今宵の晩酌はビールだけにして、解熱剤を飲んで
さっさと寝ることにする。

海風やしょぼい我が身に風邪を呼び。












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