上田城跡公園に。
馴染みの飲み屋でニュースを観ていたら、
上田城跡公園のソメイヨシノが開花したという。
さっそく桜詣でに出かけたのだった。仕事を終えた夕方、
上田駅を出て、鮨屋の萬寿さんにおじゃまする。
握りをつまみに、お銚子を傾けながら若旦那と
言葉を交わせば、小学生になる愛娘のなおちゃんの入学式は、
4月6日という。桜咲くなか、親子で入学式に向かう姿を
思い浮かべれば、のどかな気分で杯がすすむ。
翌朝、古い飲み屋の並ぶ袋町を抜けて、城跡公園に行く。
通りを渡ってわきの道を進んでいくと、
梅花幼稚園の梅の香りが爽やかに鼻をかすめていく。
なおちゃんの入学する清明小学校を左手にすぎて
公園に着くと、朝から人の姿が多い。
みんな桜の季節を待っていたのだった。
城門前の枝垂桜はひと足早く満開になっている。
門を入った先の真田神社でお参りをして、お堀のまわりを
歩いて行けば、ソメイヨシノがぽつぽつと咲いている。
4月1日から上田城千本桜まつりが開かれて、日没から
ライトアップも行われる。
テキ屋のお兄ちゃんにお姉ちゃんが、早々に屋台の
準備をしていた。
公園をあとにして、上田市立美術館へ下っていくと、
開催中の山下清展に、たくさんの人が訪れていた。
人混みを縫って再びの作品たちを拝見したら、
その緻密と丁寧さに、あらためて、すごいなあと
言葉が漏れた。
この美術館は、いつも好い企画を開いてくださる。
次回は、上田出身の画家、中村直人さんの作品展というから、
楽しみなことだった。
美術館を出て、目の前の上田アリオに入っていくと、
春休みの親子連れでにぎわっている。
お昼どきの食堂街は、どこも混んでいる。
横目で眺めながら出て、天神通りの中華モリタに行くと、
こちらもサラリーマンで満席だった。
しばらく待って,テーブルのひと隅に落ちついて、
チャーシューの盛り合わせで黒ラベルを一本。
ひっきりなしにお客が入ってきて、厨房のお父さんと
息子さんが休む間もなく鍋を振っている。
ウーロンハイを飲みながら、たっぷりと餡のかかった
焼きそばをたいらげて、腹いっぱいで店を出た。
桜の見ごろは週末から来週にかけて。
天気良く、桜が迎える入学式となりますように。
清明の朝や我が児の一歩かな。
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