オランダの学校教育の特徴①<学校設立の背景>
ここ最近、オランダ移住のお仕事の依頼を頻繁に受けるようになりました。
ですが、教育制度や教育の現状については、あまり情報をお持ちでない方も多いと感じます。
オランダの教育制度を知ることは、オランダの社会構造を知ることに繋がっている。私はオランダで生きながらそんな風に感じています。
ということで、ここではオランダの教育や教育制度について書いていきたいと思います。
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日本では学校を設立がすることがとても難しいことを皆さんご存知でしょうか?校舎面積の規定や、教員数の確保、潤沢な資金があるか、図書室や理科室、家庭科室などの有無....などなど、日本で学校を設立するために乗り越えなければいけない課題は無数にあると言われています。
日本人にある多くの学校は、国の管轄下にある「文部科学省」が提示している「学習指導要領」というカリキュラムに則って教育活動が行われています。
また、この「学習指導要領」に則った教育を行う学校を「一条校」と呼びます。最近はIB校という種類の学校も増え始め、例外的にそれらの学校を「一条校扱い」することもありますが、基本的には日本全国にある多くの学校は一条校であり「学習指導要領」に則って教育活動が行われています。
一方でオランダでは憲法23条で「教育の三つの自由」が認められています:
設立の自由 200人の子どもを集められれば,自分たちで学校を作ってもよい
理念の自由 宗教色を出しても,他のことで特徴を出しても良い
教育方法の自由 教育内容,教材の裁量権が自由
もちろん、これだけで学校が設立できる訳ではありませんが、オランダでは日本よりも容易に学校を設立することができると言われています。
23条の条文を見ても分かる通り、
「オランダには様々な種類の学校がある」
ということがわかります。
これは、宗教理念に基づいた学校であったり、特殊なカリキュラムを行っている学校、オルタナティブ教育を行う学校や、ごく一般的なオランダの指導要領に即して教育を行う学校...
ここには書ききれないほどの「様々な学校」が存在しても良い。ということです。
そして私自身、この「教育の多様性」はそのまま「オランダの多様性」に繋がっているのではないか。と思っています。
様々な教育的バックグラウンドを持つ人たちが、共に生きる社会。
それは、人間として様々なバックグラウンドを持つ人たちが共に生きる社会に繋がっている。と思うのです。
オランダの教育が特徴的な理由の一つに、
「学校の設立」における考え方が影響している。
そのことを知っていただけると嬉しいです!
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