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オランダの市民化テスト受験中!

こんにちは!降り積もった雪が少し残っている寒い中、先日夫の義則と一緒にオランダの市民化テストを受験しに行ってきました。実は2023年の12月に初めて試験を受けて、試験会場に向かうのは今回が2回目です。

2019年(義則は2020年)にオランダに移住して5年目(義則は4年目)に突入した私たち。娘の小学校も5年目に入り、さて、そろそろ市民かテストでも受験しましょうか…と重い腰をあげて試験に臨みました。

オランダの市民化テスト(inburgering examen)とは?

inburgering examenと呼ばれるオランダの市民化テストは5つのパートに分かれています。

・lezen(読む)
・luisteren(聞く)
・spreken(話す)
・schrijven(書く)
・KNM(Kennis Nederlandse Maatschappij)(オランダの常識問題)

この5つの全ての試験をパスすると、オランダの市民権を得ることができます。ちなみに、この試験、(2024年1月段階で)それぞれ試験費用は€50となるので、順当に合格したとしても€250の費用がかかります。私が調べたところ、日本人に関しては何度受験してもOKということなので、費用面に余裕がある人は何度も試験会場に通うことは可能です。笑

その人の家庭の経済状況にもよりますが、この費用を支払うことが経済的に難しい場合はその申請を行うこともできるようです。それぞれ異なるバックグラウンドを持ったたくさんの移民を抱えるこの国ならではの対応だなと感じます。

市民化テストに合格したら?

オランダに住む多くの日本人の方の中には、フリーランスビザで居住許可を得ている人たちがいます。他には現地就職というかたちでオランダにお住まいの方もいらっしゃれば、駐在として企業からの出向でオランダにお住まいの方もいらっしゃいます。

私たちを含めた「フリランサー」としてオランダに居住している人たちにおりている居住許可は、あくまで「日本から来た人として居住許可を与えますね」というもの。現状、このビザでは労働市場に出て就労することは難しい場合が多く「自分で起業したビジネスで生きていく」という方法しか残されていません。※私は例外的に学校で働かせてもらっていますが…

それが、この市民化テストに合格してその他の一定の基準を満たすと、簡単に言えば「オランダ人と同等の権利を与えられる」という状態になります。細々としたこと…例えば、国政選挙への投票などにおいての差異はあるため「オランダ国籍を取得する」とは異なりますが、市民権を得るということは、オランダの労働市場でも働けるということです。

そして、オランダの市民権を保持するということは、EU圏内(一部の国を除く)での居住許可にもつながります(一定の審査があります)。つまり、今後のプランとしてオランダを去るという決断をした時「日本に本帰国する」以外のオプションをEU圏内の国々で検討できるということです。

オランダの大学に通うことを検討するために

現状、私たちは将来的に日本へ本帰国することを検討しています。ひとまず、娘が18歳になるまではこの国で生活することは決めていますが、娘が自立してからは日本に本帰国しようかなと思っているところです。

ゆるりと決めたその期日までにはまだあと10年くらいあるのですが、その間にオランダの大学、もしくは大学院で学位を取得しようと思っています。現状ではその学費がとても高額で、簡単に言うと「留学生扱い」になります。その価格、単純にオランダ人価格の3〜4倍…ひょっとすると、夫婦共々大学(院)に通う可能性があるので、この市民化テストを受験して市民権を得ようと思っている次第です。

労働市場に出やすく

一方で、もう一つ検討しているのはオランダの労働市場に出るため。現状では、自分たちで設立した会社の労働者としてしか働けないことになっているため、オランダの労働市場で働くことは正式に許可されていません。ただ、市民化テストを受験して一定の基準を満たすことで、労働市場での労働が許可されることになります。

今、私は(ちょっとグレーな状態で)学校から特別な許可を得て学校に勤務している状態ですが、これがもっと公式な状態になると良いなと思っています。自分(たち)の設立した会社をフリーランサーとして維持しながらも、勤務時間の一部を労働市場の中で使いたいと思っています。

オランダ語を学ぶモチベーションは?

さて、これまでオランダ語を学習するためにライトなものからヘビーな語学学校までちょこちょこ通ってきた私ですが、現地校に勤務していることと、ボランティア活動が功を奏して少しずつオランダ語に自信が持てるようになってきました。私のモチベーションはもっぱら「人と話したい」だけで、ライトな会話からディープな会話まで、オランダ語でできたらどれだけ楽しいだろうな〜!という妄想が大きなモチベーションとなっています。

義則に関しては、あまり言語が得意ではない方なのですが「娘の友人のパパやママたちと話したい」という欲求が芽生えてきたのと、オランダの歴史やヨーロッパの歴史という彼のそもそものプロフェッションを高めるためにも、この国で子どもたちがどのように歴史を学んでいるのかというところに近づくためにも、オランダ語をツールとして学びたいと感じてきたようです。

夫婦でこれからの展望を話し合った結果、意外にも義則から「市民化テスト一緒に合格しよう!」と言われ、「よっしゃやりますか!」という状況に至っています。

うさぎと亀。笑

…とは言うものの、学習法には個人差が出るもの。笑
私は時期を見計らっては語学学校に通って「人との出会い×語学習得」の方向性をとっています。ただ、それだけで満足しているというか、
・語学学校(宿題たんまり)
・現地校勤務
・ボランティア
この3つがあれば、そんなに勉強しなくたって良いだろう…と思う派。
何なら語学学校で出会った人たちと一緒に食事に出かけたり、個人的に会って話をしたりするような「付随」の部分にさえ魅力を感じています。笑

一方で義則は、日本や世界中の生徒との時差の関係で朝からオンライン授業を行う日も少なくありません。オンライン/対面生徒とのスケジュールも一定ではないので、なかなか固定した時間で語学学校に通うのは難しそうです。彼はコツコツと勉強するのが得意なタイプで、図書館から本を借りてきては、仕事終わりに粘り強さの中で学んでいます。

お互い学び方は違えど「異なるから良いよね〜!」と言いながら同じ方向を向いて歩いている状態。まさしく、私がうさぎで彼が亀…みたいな感じなのですが、私は(恐らく彼も)ゴールは一緒だと信じています。

ほぼノー勉の私。←

そんなこんなで、私の場合は家の外でオランダ語でコミュニケーションをとるという環境に恵まれているお陰か、市民化テストに対してそこまでストレスを抱えていません。

<1回目>
lezen(読む)→12月に受験、合格

<2回目>
luisteren(聞く)→1月に受験、結果待ち
KNM(オランダの常識)→1月に受験、結果待ち

ときましたが、恐らく今回の2つの試験に関しても2人とも合格していると思います。義則はコツコツ勉強を積み重ねるタイプなので、彼は彼らしく合格に向けて着実に歩んでいる訳ですが、私がここまでリラックスして試験を迎えることができているのは、やっぱりオランダ語の環境へ積極的に入っているからかなと思っています。

もちろん、どういった方法で語学習得の方法を取るかは人次第ではありますが、ボランティアはとてもおすすめです。特に私が関わっているボランティアではほぼ100%オランダ語で全てがなされるので、めちゃくちゃ鍛えられます。ストレスがないとは言い難い状況こそが自分を成長させてくれているという感じです。もし、今後オランダの市民化テストを検討されている方には、ボランティアという選択肢もおすすめです!

上半期中には全て合格するように…

2023年の12月受験を始めた市民化テストですが、今年(2024年)の上半期には夫婦で全て合格したいと思っています!言語というのは間があくとモチベーションも下がってしまうものなので、こういう試験は効率よく、短期集中で達成した方が余計なコストがかからなくて良いと思うからです。

さらに、この期間中にも子どもはどんどん成長していくので、より複雑な文章を読める能力を私(たち)自身がある程度身につけておきたいという思いもあります。夏には「全部取れた〜!」というかたちで、バケーションに行きたい!というのが最大のモチベーションかもしれません。笑

その先のNT2を見据えて

さらに、最近オランダ語を学習する中で、義則が「これに合格したらB1とかNT2の受験も検討してみたいな」と口にするようになりました(!)。それは願ってもいないことではないか〜!と思っている私には、応援するだけではなくその先の未来を一緒に見たいなという思いもあります。

まだまだこの市民化テストに合格していない状態、さらに言えば市民権の申請がおりていない状態で想像するのは少し難しいですが、1つの要素として検討していきたいなという思いもあります。

そんなこんなで少しずつ前に進んでいる私たちのオランダ語学習。市民化テストを検討している方々にとって少しでもヒントになれば嬉しいです!


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