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STORESの文化をつくった3つの約束

こんにちは!久しくご無沙汰しています、というのも、今見たら1年ぶりの投稿でした。今日は、STORES PX Advent Calendar 2023 Spring 最終日ということで、「STORES をつくってきた3つの約束」について話したいと思います。

STORES は、全く異なる2つのスタートアップが経営統合してスタートした、という日本においてあまり事例のない会社ですが、そこに強いアイデンティティがある、と最近思うようになりました。スタートアップ同士の統合、そしてその2社に全く関係のなかった新しい社長の就任。一見うまく行かなさそうなこの座組が成り立った要因である3つの約束について振り返ってみます。

1つめの約束は、大きな価値を長い時間かけて生み出すこと

STORES をはじめるにあたって、佐藤(現代表)、塚原(先日取締役を退任しました)、私がいたわけですが、各社それぞれの社長という立場を手放して集まる中で、じゃあ何をしたいのか、というのはとても大事なことでした。
私自身は当時、STORES 決済の前身となるCoineyを創業して6年目に入った頃で、証券会社さんなどとお会いする中で、事業の輪郭が創業時よりはクリアになり、そのまま上場するか悩んでいました。もっと大きなこと、もっと大きな価値を生み出したいなあと。また、それが自分だけの力量だと難しいことも実感しつつありました。

この大きなことをしたい、という点については、多かれ少なかれ、みんな同じような想いがあったように思います。というか、そのままでもできるなら、わざわざこんな形を取らなくても良かったからです。なので、みんなで集まるからには、大きなことをする、というのはとても大事なことでした。
また、大きなことをするためには、早く為すことを目的にしないこと。程よい利益を生み出して維持することを優先しないこと。そして、株式の希薄化を厭わないこと。というのも決めました。

それから、成長の途中で、大きなことをするというのは、成長に必要な変化を続けること、という意味もあるということにも途中で気づきました。大きなことをする、というためには、小さいから成り立っていたことは必要に応じてすべて変える、ということでもあるからです。

2つめの約束は、Just for Funをミッションとすること

大きな価値を長い時間かけて生み出す、というだけだと、どっちの方向へ?というのが分かりません。そこで、私たちは「Just for Fun」というミッションを定めました。こだわりや情熱、たのしみに駆動される経済をつくる、と。また、このJust for Funを目指すということは、顧客であるオーナーさんが常に中心である、ということも意味しました。オーナーさんの役に立たなければ、Just for Funは成り立たないわけで、私たちは常にオーナーさんを中心に会社を回すぞ、と。

組織の動かし方にはいろんなやり方があるかと思いますが、私たちは完全にミッションドリブンの手法を取っています。というのも、昨年まではバリューすらなく、そして今でもビジョンは存在せず。このミッション一点突破のシンプルなやり方は、異なるバックグラウンドの会社が一緒になるというPMIの過程において、組織の運用コストを下げ、迷うことを減らすという意味において、とてもよく寄与しました。

STORES において、ミッションというのは、1日8時間(時短ももちろんあります!)を会社で過ごして生み出したアウトプットがどんな価値となって社会に還元されるのか、というものであると考えています。1日の大事な時間をSTORESで過ごすなら、それが意味あるもの、価値あるものになっていると信じられるものであってほしい、と。

このミッションは、Day1 の統合時から存在し、その後2年半でCoubic(現STORES 予約)、4年弱でSHOP FORCE(現STORES ブランドアプリ)と計3回の統合がある中で、常に大事な、そして大きな旗となりました。このミッションに向かうことを信じるという共通項があったからこそ、異なるバックグラウンドの人たちが1つに融合していく中でどうにか破綻せずにこれたのだと思います。

3つめの約束は、得意をもとに役割分担をすること

STORES をはじめるにあたって、佐藤は会社の方向を定めることと資金を集めること。塚原はそれをもとに良い製品をつくること。私はそれをもとに良い組織をつくること。そして、意見が異なるときは議論しつつも、割れたら最後が佐藤が決め、それを良しとすること。ということを決めました。(最高に頼れるCFOの齋藤がジョインしてくれるのはその1年後でした)

それまで、少なくとも私は、社長である以上なんだかんだ何でも自分でしないといけない、と考えていましたし、実態そういうところもありました。特に数十人の会社においては。でも、3人が集まったときに、これは全然タイプが違うぞ、となったんですよね。そして、それは活かしたほうがいい、と。

結果として、上記の役割分担が決まったわけですが、この得意なことに集中できる、というのがいかに日々のストレスを下げるか、というのは自分にとってとても大きい発見でした。長い時間かけて取り組むには、いかにコンディションよく働くか、みたいなのは大きなテーマの1つでもあったので。

これをきっかけに、違う才能が集まるってなんて素晴らしいんだと、改めて実感したわけで、その後策定していったバリューやマネジメントポリシーなどにこの点はかなり影響しています。

まとめ

という風にそれっぽく綺麗にまとめてみたわけですが、なんだかんだ渦中においては、AだからB、BだからCなんて綺麗に考えながらやってきたわけではないのが現実で、5年で組織も売上も10倍になる中、自分自身が成長のキャップにならないようにかなり必死でやってきたみたいなのが実態でもあります。

ただ、それでも今思うと、この3つの約束をもとに、会社の習慣や文化、制度を設計し、運用をしてきたことが、結果として、STORES らしさを強固なものにしてきたと思える余裕が少しだけ出てきました。

また、10年以上、会社経営に携わる中で、最近、経営はとても自由だとも思うようになりました。自社には自社の、他社には他社のやり方があり、良さがあり、強さがある。なんだっていいんです。いろんな形があって、正解は一つじゃない。ただし、経営方針、事業戦略、製品戦略、人事戦略、すべてにおいて一気通貫していないと、組織は脆く壊れていきます。日々の1つ1つの、1人1人の行動から、会社は何気なしに作り上げられていくわけで、細部にわたって徹底していかなければ、強い文化は生み出せません。

そしてまた、その会社が生み出す「らしさ」というのは必ずしも論理的な解の中だけで生まれるわけでもないなと思っています。「こだわりや情熱、たのしみ」から生まれるその執着が、短期的な非合理を長期的な合理に変え、その一時的な歪みが人の心を捉え、愛されるものとなったりするわけで。そういう意味で、私はJust for Funを掲げる STORES にはその種が強く存在しており、それをもっと開花させられるはずだと信じていますし、より良い文化をつくることが、これからの自分自身のたのしみの1つでもあり、大きな責任の1つでもあると考えています。

改めてですが、この会社はスタートした瞬間から、ひとつの目的に向かって、異なる才能が交わり、相互に受け入れあってきました。そして、大きなミッションと、オーナーさんたちへの敬意、そして一緒にはたらく仲間への敬意をつなぎ合わせて、みんなで製品をつくり、届け、いろんな課題を解いてきました。ただ、向き合えば向き合うほど、その課題の難度も複雑さも上がってきています。そのために、自分たちが成長し続けなければならないとともに、引き続き、異なることを楽しめる異なる才能をもつ仲間をあつめ続けたいと思います。

Just for Fun.
naoko

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