見出し画像

免疫は自然の原理

私達人間は、太古の昔からずっと、自然の中で自分の体の一部ではないものと共存しながら生きて来ました。自分でないものが、外から中へ絶え間なく入ってくる状況で、健康を保ち、生きのびていくことを可能にしたのが、免疫という素晴らしいシステムだと言えるでしょう。 さて、私たちの免疫システムはどんな仕組みで、どう機能するのでしょうか?まず、人間の体の中と外をみてみましょう。 私たちの体は、作家の稲垣足穂がAO (Anal Oral) 円筒と呼んだように、パイプ構造になっています。外側は皮膚、内側には粘膜が広がっています。皮膚、鼻や目など、外に晒されている器官を通して、また口から肛門まで通っている消化管の中へと、外から常にいろんなものが入ってきては、出ていくのです。

消化管
AO円筒。このパイプの外側が皮膚、内側に粘膜が張っている。「外」が「中」に入ってくるのは、皮膚からと粘膜から。外から侵入してくるものを赤い線で表す。


上の図は消化管で、下の図はそれをパイプに例えたものですが、体の中に異物が入ってくると、まず引っかかるのが、第一関門の皮膚や粘膜にある防御機構です。
第一関門*は、お城の中を守る城壁に例えられ、訓練された兵士達を常備しています。ここで戦う兵士達には、白血球、マクロファージ、好中球、ナチュラルキラー細胞などがあり、この防御作用を自然免疫(七日から十日間のプロセス)と言います。皮膚、粘膜などに広がっている免疫細胞は、粘膜の中にその6-7割があり、そのうちの8割ほどが腸管に存在しているため、腸壁が壊れていると**、ウイルスや他の異物が攻めて来た時に、防ぐことができません。免疫細胞の機能は、ウイルスや癌細胞を食べたり、外に出したりします。この時、治癒のプロセスの一部として、くしゃみ、せき、鼻水、湿疹や熱という炎症が起こります。こういった症状はウイルスが起こす病気そのものではなく、ウイルスと格闘する免疫システムの反応なのです。免疫システムがちゃんと機能しているから炎症が起こるということになります。

 さて、自然免疫が作用しても、慢性的に異物や毒物が体の中に入ってくると、城壁を超えて異物が入って来てしまいます。すると体は、次の作戦を打ち出します。
第二段階の、獲得免疫(6-8週間のプロセス)が働くのです。これには、液性免疫と細胞性免疫があります。液性免疫は、体液の中にあり、T細胞、リンパ球、B細胞などがあります。抗体を作り出し、そこにウイルスを付着させて認識したり倒したりします。細胞性免疫は、細胞の中にウイルスが入ってしまった場合に働き、キラーT細胞がそれを退治します。そして我々の身体に、過去に来たものを記憶させるのです。 

この免疫のプロセスを、人口的に遮断してしまうとどういうことになるでしょうか? 

例えば、抗生物質は、熱や粘液が出るのを抑えてしまいますね。免疫システムのクレンジング作用である炎症を止めてしまいます。この遮断を何度も繰り返していると、「中に入ってきた異物を外に出す」作業を止めることになり、次に侵入者が入ってきた時には、再び同じ反応を繰り返すことになり、それが慢性になってしまいかねません。熱や粘液が抑えてられてしまうことによって、細胞免疫の仕事量が何倍にも増えてしまい,、サイトカインストーム(免疫暴走)***が起こってしまうこともあります.。また、腸内環境のバランスが崩れていると、自然免疫と獲得免疫のバランスが崩れて抗体過多になる為、免疫不全、慢性疲労症、アレルギー、自閉症などの慢性症状に至る可能性があるのです。

 自然免疫と獲得免疫。古代から人間の体は、この二つの免疫システムで自己治癒を行ってきました。異物を外に出し、体にそのことを記憶させる。これが自然の摂理です。
 
*自然免疫と獲得免疫の関係性については、ナターシャ・キャンベルマクブライド博士とトマス・コウワン博士は二段階制だと述べていますが、内海聡医師は両者の関係を「重層構造」として説明しており、自然免疫は大きい細胞担当、獲得免疫は小さい細胞担当としています。
 **ナターシャ・キャンベルマクブライド医学博士によると、腸内細菌のバランスが崩れると、リンパ球やマクロファージ、サイトカインのレベルが落ち、免疫機能が損なわれると言います。
 ***サイトカインストームはスペインフルーの時の死亡率と多いに関連していると言われ、コロナ患者の症状にも関連していると見られている。サイトカインは細胞から分泌される低分子のタンパク質からできており、異物が入ってきた時に、細胞にシグナルを送る。免疫細胞と免疫細胞の間の伝達を果たす。 

この記事では、下記の参考文献に掲載したトマス・コウワン医学博士、ナターシャ・キャンベルーマクブライド博士、内海聡医師の見解をまとめています。
(参考文献)

  • Normal Immune Function, Exosomes, & Vaccination Interference" by Dr. Thomas Cowan, (M.D.) https://www.youtube.com/watch?v=z1GnDvCo3GI

  • 内海聡 『新型コロナワクチンの正体』
        『医学不要素論』

  • ナターシャ・キャンベルーマクブライド医学博士『GAPS 腸と心の症候群 自閉症、統合運動障害、注意欠陥障害、難読症、注意欠陥・多動性障害、鬱病、統合失調症のための自然療法』

https://www.amazon.com/dp/4802050658?tag=duckduckgo-exp-b-20&linkCode=osi&th=1&psc=1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?