雑誌『料理通信』2006年6月の創刊号から14年続いた連載〈新米オーナーズストーリー〉。自分の店を持ったばかりの店主たち、その店づくりに関する物語です。
全149回からセレクトし…
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2021年12月の記事一覧
ペレグリーノ/恵比寿
自分は、何のためにこの仕事をしているのか。
コロナ禍では多くの人がこの言葉を口にしましたが、イタリア料理店「ペレグリーノ」の高橋隼人シェフから聞いたのは2015年。
2009年に開業した西麻布から恵比寿へ移転した、新米オーナーズストーリーの取材(料理通信2015年9月号)でのことでした。
「うまいものを作りたい」
答えは非常にシンプルなんですが、彼はそのために「土地を買って家と店舗を建てる」という
SUPPLY サプライ/幡ヶ谷
2019.1.23 OPEN
「隠れたくない!」
車がビュンビュン走る甲州街道に、冴え冴えと浮かぶ真っ白な暖簾。やや頼りなさげな、とぼけたような、浮遊感のある筆致でSUPPLYと書いてある。
横長の店の幅いっぱいに全面ガラスのサッシ。
カウンターにからりと並んだ背中。
ラーメン屋?
いや違う。お客はみんなナチュラルワインを呑み、イタリア料理をつまんでいるのだから。
「見え過ぎるくらい
COFFEEHOUSE NISHIYA/渋谷
2013.9.17 OPEN
「町のコンシェルジュになる。」 雨の日、カラフルな傘の群れが、大きな窓の外を流れていく。近所の女子高生たち。店の中から西谷恭兵さんが手を振ると、いくつかの傘が気づいて振り返し、後から後から “交信”が連鎖した。
「通学路なんですよ。彼女たちはお客さんじゃないけど、毎日こうしてる」
バールである。
でも「日本で、BARと書いてバールと読む人が何人いる?」とあえて「