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「ブラームスを演奏する」(音楽之友社)より見える19世紀のショパンのペダル


「ヨアヒム(1831-1907)はヴィブラートなしで強烈かつ純粋な音を作ることができた」

「深みある力強いパッセージは必ずその音を用いた」

「こんな音で演奏されるパッセージを聴いたあとで、
同じパッセージを現代奏者ほとんど全員の病的に震える音で聴くと
いたたたまれなくなる。」

これはショパンのペダルの概念とも
とても似ていると感じます😌♡
この、バイオリンでさえ19世紀終わりくらいまでヴィブラートが多用はされず、
趣味良く、ヴィブラートを使う音は厳選されていた時代。
ピアノでのペダルについても同じ事を感じます☘️
ふんだんにペダルを響かせ全部の音を繋げ飽和させるのではなく。。

ショパンも、フォルテの時ほど、ペダルを書いていないんです😌✨

「深みある力強いパッセージは必ずその音(ヴィブラートなし)を用いた」

まさにこれと同じだと思います😌✨
強烈かつ純粋な音。

「(ヨアヒムのヴィブラートは)p(ピアノ) dolceではふんだんに使用され…
piano【espressivo】の部分では、ヴィブラートは全く使われないか、
使ったとしても抑え気味で、音の緊迫感は損なわなかった。」


これもショパンも記譜上、本当によくそうしているんです。。😌✨
ノーペダルのフォルテには緊迫感があります😌✨

そしてこの後ヴァイオリン界でも、サラサーテ(1844-1908)やイザイ、
クライスラーによりヴィブラートが増えてゆきます。

「邪悪で人を酔わす罪深く魅惑的な音。
心奪う力、狂乱の果ての官能。歯止めのきかない乱痴気騒ぎだった」
Carl Flesh 1900年頃

「非芸術の極みの蔓延」
L.アウアー1923年

…😅

年代を見て分かるように、ショパンはその前の時代の作曲家です♡
(1810-1849)

私がいつも話している、現代と共通するこの「人々の価値観(趣味)」の変化。。
これらの果てが今であり。。本当に。。
音楽だけでなく何もかも。。😊💦

私はこの前の時代、まさにショパンまでの時代にあった
「良い趣味Bon gout」の価値観が多分好きで。。
そこに向かいたい欲求が常に自分にある事を感じます。
過大でも誇張でもない、でも確かに存在する良いテイスト。
それは音楽だけではなく人生においても求めたいものです😊🌿

そんなアプローチで毎回発見を楽しみながら、
新たなショパンをプレイエル上で研究しています😊🌱

毎年今年しか聴けないプログラム。
他では聴けないショパン。
ぜひ皆様と共有させて下さ😌☘️

🔸2023年9月20日(水)
兵庫県立芸術文化センター
早川奈穂子フォルテピアノリサイタル



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