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ショパンのノーペダルについて(動画)とFriedrich Wieckの言葉。

この数年研究しているショパンのペダルについて、YouTubeでお話してみました😊


下記の様な所も

スタッカート(ペダルなし)

スタッカートなし

ペダル

とショパンは書き分けているのです。。⁎ˇ◡ˇ⁎ ♡

この様な箇所は他の作品でも、もっと長いスパンでも多くあります。
最初ペダルが無いことにより、その後踏んだ時の効果が大きく現れます。
cresc.を作る時にも、ペダルは構築的に考えぬかれています。
音量が出ない楽器、声楽や管楽器などと同じ手法を感じます。

そしてこちらも。


ベースの音は、四分音符と付点二分音符と、書き分けてあります。
ペダルをずっと踏むと、これらの書き分けの意味が消えてしまい。。
このような箇所は他の曲でも沢山あり、このことより、
ペダルを書いていない場所は、ショパンはペダルを使う想定では無かったことが見えて来ます。

私達の耳が慣れている、現在多くあり普通となっているずっとペダルを踏んでいる演奏の響きと、ショパンが思っていた響き、「レガートの質」が違うのではないかとも、考えるようになりました。
そして、ペダルがないことで歌いにくくなる箇所は、
バロックや古典の時代へ戻る事で、その解決法を得ることができる様に感じます。

お芝居の演者に常にマイクをつけリバーブやエコーを入れた様な、
ペダルに満たされた”常に芳醇な”音が良いという価値観を一度全て捨て去り、
枯れた、ストレートな、素朴に「語る」音を使ってゆく。。

クララ・シューマンの父、フリードリッヒ・ヴィークは、

「人々は、皆ペダルを多く、そして頻繁に使いすぎだ。
…(略)
ペダルなしで弾いてみて下さい。

いつ、どの様にペダルを使うのかを知りたいのなら、ショパンが良いモデルです。

適切で完全なペダルの使用法の為には、ショパンの作品にある緻密に精査された指示を弾いて試し、観察すれば、
そこに完璧な教えを見る事ができます。」 
“Excerpt From Piano and Song / How to Teach, How to Learn, 
and How to Form a Judgment of Musical Performances”
Friedrich Wieck

と述べました。

この言葉の意味が、プレイエルに出逢った事で、より深く伝わってきます。
ショパンのノーペダルに注目するだけで、
本当に日々、毎回発見&感心です。😊

今は、どこでも全部に、ずっとペダルを踏むのは、
ショパンが意図したものから離れ、ペダルがある場所とのコントラストも消え去り、
本当に勿体ないと感じるようになりました。

これまでの世界が覆り、自分の持っていた「耳の感覚・世界にある常識」を、捨て去る必要性も何度も感じました。
それは、フォルテピアノに出逢った時にも沢山起こりました。

今も、”既に自分にある価値観”で早急に判断しないように、
じっくりじっくり楽譜を見つめ、音を試し、取り組んでいます。
これからも研究は続けたいと思います。😌🌱

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