ジャクレーさん家を…
ポール・ジャクレーをご存知でしょうか。
私は小さなころから見聞きしていた名前でした。
軽井沢の家へ行く時にタクシーの運転手さんに「ジャクレーさん家の角を曲がって」と言っていたからです。
また、散歩の際には名前が出ることも多かったですし、別荘の角々に立てられた境界を示す石にその名を見る事もありました。
でもその「ジャクレーさん」は画家、という以上にはあまり長い間情報がないまま過ごしてきました。
近年では日本と欧州の芸術家交流などの視点で版画が展示されることがありましたし、最近では横浜美術館の改装前最後の展覧会「トライアローグ」展にも2点大きな版画が展示されていたのを良く覚えています。
また私は訪れる機会がないのですが、少し前にハワイのカハラ・リゾートの全室そして各所にも飾られていると報道で知りました。
そんな風にぽつぽつと情報は入るものの、まとめて彼の作品を見る機会、展覧会はこれまでありませんでした。
それが今年、没後60年との事で、追分郷土館での展覧会が開幕しました。
前後期で作品が変わるとの事で、後期は軽井沢で制作された作品がメインとの事です。
特別企画展 ポール・ジャクレー没後60年
軽井沢を愛したフランス人浮世絵師
ポール・ジャクレー全木版画展
https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/contents/1624597835369/index.html
ある版画にキャプションにはジョルジュ・バルビエ版画、『薔薇の精』にも言及があり、その通りだなと思いました。
初日のミニ・シンポジウムはミニとは言えない楽しく豊かなものでした。
1930~60年代を通じて活躍した版画家、ポール・ジャクレーの作品の魅力、面白さはまだまだ分かっていない事明らかになっていないことも多そうです。後期にもトークイヴェントが予定されているので行かれたらと思っているところです。
ジャクレー氏は蝶の収集家としても貴重なコレクションをお持ちだったとのこと。これは現在大阪市立自然史博物館に収蔵されています。
このジャクレー・コレクションが蝶類のコレクションの礎になっているとの紹介があります。
これも次回、大阪近郊への仕事の際には是非見てみたいと思っています。
今は見かけなくなった軽井沢の蝶にも再会できるのかもしれません。