見出し画像

珍しい『白鳥の湖』が無料配信中。

相変わらず先の見えないCOVI19禍の中、ありがたいのは世界中の劇場からの配信でしょう。

無料でも有料でもこれまで見られなかった作品が気軽にみられるのは嬉しいですね。これを見た人達が再開後の劇場へ押しかけることを祈りつつ見ています。

少額でも寄付できるところは今後への祈りを込めて、と思います。

今回ご紹介するのはいつもあれこれご紹介しているスウェーデンではなく、デンマークのお話。『ハムレット』の舞台の国でもありますね。
バレエ・スエドワが創設されるきっかけとなったバレエ・リュスの振付家ミハイル・フォーキンはデンマーク、スウェーデンを訪れたのですが、そのスウェーデンでない方の国がデンマーク。その頃からデンマーク王立バレエ団は活発な公演を行っていました。

バレエ好きの方だと、デンマークのバレエと言えばブルノンヴィルを思い出すかもしれません。
彼が「ロマンティック・バレエ」をデンマークに伝え、それがプリザーブド・フラワーのように保たれているのが「ブルノンヴィル・スタイル」と言われているバレエの踊り方のスタイル。

それはもちろんその通りなのですが、デンマークのバレエがそのまま他の影響を受けずに存在し続けたわけではなく、バレエ・リュスもバレエ・スエドワもデンマーク公演を行っています。
また既にご紹介したようにミハイル・フォーキンがバレエ・リュスを離れた時声をかけたデンマークバレエ団はバレエ界の流行にも敏感だったといえそうです。

デンマーク王立バレエ団の創設は1748年とかなり早いものでもありますし面白いレパートリーも沢山持っているのですが長らく日本公演もないのでは残念ですね。

そんなデンマーク・ロイヤル王立バレエ団が『白鳥の湖』を無料配信しています。

日本で上演されてことがない2015年初演のニコライ・ヒュッベ(1967年生まれ)版。ニコライ・ヒュッベは2008年にデンマーク王立バレエ団の芸術監督に就任して沢山の振付作品を上演しています。

Nanna Rosenfeldtによる不思議なヘッドドレスや割合奇抜なメイク、でも衣裳はクラシカル、美術は斬新と目に楽しいバージョン。物語の最後にも注目して下さい。ちょっと珍しいパターンです。
ヘッダーに一部利用していますが、HPの役の関係性を描いたイラストも "北欧デザイン" の良さが詰まっていてすっきりしていてわかりやすくていいなと思いました。

短いリハーサル映像も下記のところにありますので、ご興味ある方は併せてどうぞ。


あまり丁寧に現状を追っていなかったデンマーク王立バレエ団ですが、今はもちろん休止(現状発表では2月7日まで)ですが、金曜日には公演ではなくバーを開けてそこでダンサーが新作について見せたり語ったりするイヴェントなども開催していて、開かれた劇場になっているようです。スウェーデンからは近いですし、行かれるようになったら一度行ってみたいなと思っています。

10年に1度のブルノンヴィル・フェスティヴァルはかつて薄井憲二さんが1回目から毎回出席なさっていて、次は行かれないと思うとおっしゃられていたのも切なく思い出されます。




ありがとうございます。 欲しかった本やプログラムを購入し、Ballet Collectionの充実に励みたいと思います!