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【人心同天地|沖縄タイムス唐獅子⑦ 2011年10月31日掲載】

*これまでに執筆した記事を振り返っています。

10月を振り返ってみると、海外からの訪問者が相次いだ月だった。今回で2度目となるフランスからの美術関係者の訪問に始まり、世界のウチナーンチュ大会には、英国沖縄県人会とロンドン沖縄三線会のメンバーが十数人来沖した。その際に、我が家を宿泊先として提供し、英国式B&Bのようなスタイルで迎え入れた。B&Bとは、ベッド&ブレックファーストの略で、寝床と朝食を提供する民宿のようなものである。
 
これまで英国で開催された沖縄のイベントでは、アーティストたちの経済的負担を減らすため宿を提供したり、個人的に支援している方々がいて、彼らに対して、私ができるささやかなお礼でもあった。この草の根的な「ゆいまーる」は、人と人とのつながりによって広がり、信頼関係のうえに成り立っている。世代や国境を超えた交流のためにも、個人レベルではあるが、今後もこのような支援を継続していきたい。
 
今大会参加者には、在沖の英国人や英国から帰郷して県内で活躍している若者も何人かいた。沖縄での人材育成と欧州とのネットワーク構築のために「沖縄イギリス協会」のような会を発足させようと友人らと準備を進めている。ウチナーンチュ大会を通して、再会や新しい出会いが生まれ、互いの意見を交換し、意思確認ができたことは、有意義であった。ヨーロッパからの視点や、その歴史から現在の沖縄が学ぶべきものはたくさんあるように思う。特に自然保護に対する考え方や古い建物を活用することなどは、急務で重要な課題でもある。
 
今回、ニューヨークやペルーの民間大使を務める方々にもお会いし、海外で受け継がれている「ウチナー文化」を垣間みることができた。それらを継承していくには、書籍などの活字資料として保存する大切さについても再認識させられた。
 
また、スロベニア国営ラジオ放送の特派員の訪問に際して、私が英国でお世話になった国際沖縄剛柔流空手道連盟のジョージ・アンドリュース先生の師範、東恩納盛男先生にお会いすることができた。このことは改めて別の機会に紹介するが、「人心同天地」という言葉に全てが集約されるような数々の出会いと、沖縄の心を改めて考えさせられた日々であった。  

追記:沖縄に帰ってきてからは英国への想いが増すけれど、ドイツとの繋がりの方が強くなって、沖縄のドイツコミュニティーが英国沖縄県人会の存在に代わる心の拠り所のような気がしています。

ロンドンの家は「民宿うちま」と冗談で言ってたけど、私と姉たちの友人や友人の友人など、いろいろな人が泊まりにきていました。今、そういう流れでアーティストやリサーチャーのためのレジデンス施設を沖縄で作ろうとしているのも、これまでやってきたことの延長線に過ぎません。

来月初めて行くポーランドの状況がよく分からず、向こうのホリデーシーズンも合間って調整が進まず、少しドキドキしてきましたが、まあ行けばどうにかなるだろうと思ってます。。。

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