結局人は感情的な生き物だ
正しいことを論理的に伝えても人は説得できない。
このことを気づいたのは社会人になって10年目の時だった。
クリティカルシンキングの会社の研修に参加した時のこと。
クリティカルシンキングは論理的な思考であるロジカルシンキングがベースになっており、、、等々学ぶことはたくさんありおもしろい研修だった。
研修の最後、講師が話した言葉が強烈に印象に残っている。
「まあ、いくらロジカルに伝えられたとしても、伝えるのは所詮人ですから。伝える人の立場や好み、その場の流れや状況を掴んだ上で話さないと、人は説得できないです。」
私はこれまでいかにロジカルに考えて、事業の必要性や効果を伝えたり、逆にそれが必要ない理由などを上司に伝えてきたつもりだった。
でも、どうしても説得できない上司がいた。彼はよく自己保身のための事業を企画し、課員を困らせていたのだが、どうしても彼を説得することができない。
誰がどう聞いても建設的な意見を述べているにも関わらず、だ。
でもようやく分かった。私はロジカルに伝えることにだけ集中して、その人の感情を全く考慮していなかった。
案外、このことに気づいている人は少ないように感じる。
今の職場でも、正しいことをそのままぶつけるように指示する上司がいる。
嫌われたくないから言わないとか、遠回しに言うことと、この「正しく伝える」というのは紙一重なのでなかなか難しい。ストレートに伝えると本意が伝わりやすいが、それによって天邪鬼になる人もいる。うまく伝えるためには、自分の人柄も磨く必要がある気がしてきた。
正しいことを正しく伝えることは、正しい考えと話し方さえ身につければ案外簡単にできる。これからは自分の考えを押し付けるのではなく「伝えたい人」に合わせて伝えることができるようになりたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?