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#003 『初キャンプ』

夏が終わる頃、神奈川県丹沢にあるキャンプ場に初キャンプに行った。

ずっとやりたかった初めての薪割り、初めてのフェザースティック、初めての焚き火、どれもこれもすごく新鮮だった。アルミのクッカーで炊いた白米は格別の旨さで、それに直火で肉を焼いて食べる至福の時をすごした。

もともとハンモックだけの軽量キャンプへの憧れもあって、テントはまだ買っていなかったので、ハンモックとタープで初めて山の夜を過ごした。

神経が過敏になっていたせいか、隣のグループキャンパーさん達の話し声が気になってしまい、なかなか寝付けなかったし、慣れないハンモックでの無理な姿勢のせいか夜中にふくらはぎがつり、でもハンモックの中で上手くリカバリーする姿勢も取れず、2度のたうち回った。ハンモックを外から見ている人がいたら、何事かと思ったことだろう。

〈わたしのハンモックサイト〉
タープを張ったポールから明らかに荷物がはみ出しているのが分かる。。

山の朝は早い。寝坊したわけではないが、起きて朝ごはんのカレーを食べていると、周りのキャンパーさんはどんどん荷造りをして撤収していく。その手際の良さに見とれていたら雨が降ってきた。ああ、それで皆さん撤収が早かったのだなと気づく…

ハンモック上の小さなタープからはみ出して荷物を広げていた私の持ち物はどんどん濡れてしまい、タープの形を変えようとしたら、引っ張る方向を誤ったせいでタープに溜まっていた雨が滝のように頭上に降ってきて、自分もびしょ濡れになった。

ベテランキャンパーさんが手際よく大きなタープを張り、その下でくつろいでいるのが木々の向こうに見えた。撤収か小さなタープの下で雨宿りか、悩んでいたら雨は強くなるばかり。結局、タイミングを逃し、雨がだいぶ強くなってから撤収するという苦いデビュー戦となった。

雨に濡れたわたしのグランドシートと、
奥には、大きなタープを張り直し余裕の雨宿りをするベテランさん達。

それでも、都会に暮らし、自宅で食事してお風呂に入って寝る、快適な日常生活の中だけでは味わえない、自然の香りや深呼吸したくなる夜明けの空気、焚き火の時間やその炎で作る食事は私にかけがえのない非日常体験をプレゼントしてくれた。

それからは月2回のペースでキャンプに行き、キャンプに行かない週末はアウトドアショップに行きギアを補充した。

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